1個のガン細胞が臨床ガンになるには2.5年~7.5年もかかる

ガン細胞が正常細胞と大きく異なるのは「自律性増殖」という性質を獲得している点にあります。。正常細胞がまわりの細胞との協調関係を保ちながら必要なだけ増殖して、秩序ある組織を形づくるのに対して、ガン細胞は自分勝手に、それも際限なく増殖しつづけます。

l個のガン細胞が1回分裂すれば2個にふえるだけですが、2回目にその2個が2個とも分裂すれば4個に、3回目にその4個が4個とも分裂すれば8個に、4回目には16個に、5回目には32個に…と分裂のたびに数が倍加していくのです。

ガン細胞が1回の細胞分裂に要する時間は数日~数十日といわれますが、実際には数日ごとに倍加するわけではありません。

個々のガン細胞をガン組織につなぎとめる結合組織や毛細血管の発達が、細胞分裂のスピードよりゆるやかなため、1つのガン組織全体でみると、2倍の大きさに増殖するのに平均1~3ヶ月かかる、というのが専門家の見積もりです。

こうして最初の1個の細胞の発ガンから、直径1mmのまだ肉眼では見えない初期のガンができるまでには、およそ1年8ヶ月~5年を要します。これが、ガンの増殖の平均的なスピードと考えられています。

この1mのガンがさらに増殖して、肉眼でもとらえることができ、診断や治療の対象となる直径1cmのガンに成長するまでには、発ガンから2年半~7年半もの時間が流れているのです。

自律性増殖を続けるガン細胞の恐ろしさは、ここからです。直径1cmのガンは、数にしておよそ10億個くらいのガン細胞からなっています。1偶のガン細胞が5回分裂しても32個にふえるだけですが、10億個のガン細胞がいっせいに5回分裂を繰り返せば、320億個にふえてしまいます。

このようにふえると、ガン組織が周囲の正常組織にじわじわと入りこむ「浸潤」もみられるようになります。こうして直径1cmの早期ガンが、直径10cm、重さにして1kgもある巨大なガン組織に進展するまでには、早ければ10ヶ月、長くても2年しかかからない計算になるのです。

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