マクロファージ 白血球 の司令塔である

マクロファージ 白血球 の司令塔である所以を紹介します。人間の身体を守る免疫力の働きは、血液中に含まれる白血球と呼ばれる細胞が担っており、白血球は、顆粒球、リンパ球、マクロファージの3つに分けることができます。

マクロファージ 白血球 「忙しさ」が一段落したあとに体調をくずすのはなぜか

人間の身体を守る免疫力の働きは、血液中に含まれる白血球と呼ばれる細胞が担っており、白血球は、顆粒球、リンパ球、マクロファージの3つに分けることができる。と記しましたが、ここではマクロファージの働きについてくわしく説明しましょう。

マクロファージというのは、3つの白血球の中でも特殊化した流れから離れていて、基本的な白血球で、生物が単細胞時代のころから自分自身を守り続けてきたものなのです。

こういう説明のしかたをすると非常に難しくなるので、風邪とマクロファージの関係を例にとって説明します。よく「忙しくて風邪をひくヒマもない」という人がいますが、実際にとても忙しく働きまわっていると本当に風邪をひかない場合があります。

ところが、ひとたびその仕事から解放されると急に風邪をひいてしまう。みなさんにも経験があるのではないでしょうか?実は、これも体内におけるマクロファージの働きによるものなのです。マクロファージの働きが活発になっているときは、体内防御のレベルが最高値にあり、風邪のウィルスが身体の中に侵入してきても、顆粒球やリンパ球に防御機能の応援を頼まなくとも、自らの力でシャットアウトしてしまうくらいのパワーを持っています。

職場で皆せきやくしゃみをしていても、なぜかうつらない人というのが必ず1人や2人はいるはずです。そういった人は身体の代謝が活発で、それと連動してマクロファージの働きも活発になっているのです。防御力の原点はマクロファージといってもいいわけです。

もちろんマクロファージは、いつでもはつらつとして1人で仕事をしているわけではなく、細菌感染が強い場合には、「キミの力を貸してくれ」という信号を発し、顆粒球に応援を頼んだりもします。また花粉などが強烈に舞っている場合なども同様で、リンパ球に「今度はキミだ」と信号を出すのもマクロファージの役目です。

マクロファージは、自らも防御機能を備えつつ、自分の手に負えない細菌やウィルスに対して、防御の指示を出す司令塔としての役割も果たしているのです。病気に対する免疫力を左右するものは、このマクロファージを司令塔にすえた、頼粒球、リンパ球の3つからなる白血球であるということがお分かり頂けたと思います。

さらにいうならば、白血球の状態こそが人間の生命力を映し出す鏡であるということもできます。だからこそ血液検査などで、白血球の数や分布を見れば今の健康状態が一目瞭然となるわけです。

さて、マクロファージは「白血球の司令塔」といいましたが、実は白血球の中でもっとも割合が少ないのがマクロファージなのです。

白血球を構成する60%は顆粒球が占め、リンパ球は35% 、つまりマクロファージにいたっては全白血球のうちのわずか5%に過ぎません。もちろんこの割合は常に一定しているわけではなく、身体が無理をしたり、ストレスが加わるたびに変化します。また1日の流れの中でも少しずつ変動し、天気や季節によっても違いがあります。

ただし、こうした変動は顆粒球とリンパ球の増減のバランスによるもので、基本的にマクロファージの変動はありません。つねに移り変わる顆粒球とリンパ球のバランスを図りながら、タイムリーな指令を出すまとめ役に徹しているのです。

マクロファージの幅広い役割

また、マクロファージの守備範囲は実に広く、コントロールしているのは白血球だけではありません。寿命の終わった赤血球の処理もマクロファージの役割だし、血小板で作られたはいせつ血液凝固物などもマクロファージが吸収し、排泄までを一手に引き受けます。

そして、赤血球も血小板も、すべての血球細胞はマクロファージから進化したくだもので、マクロファージが血球を流すために管になったのが血管内皮細胞なのです。生き方の無理やストレスがかかりすぎると、その血管内皮細胞は元のマクロファージに戻ってしまい、管としての機能を止めてしまいます。そのために管が破れそうになると動脈瘤ができ、いつかはその瘤が破裂してしまう。これを「マタロファージの先祖返り」と呼んでいます。

ちなみに「白血球」血液成分のチェックはこちら。

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