にんにく 胃腸障害 を改善する効果があります。にんにくは、健康に良いとされる一方で、その強い刺激から「胃腸に悪いのでは?」と心配されることもあります。しかし、にんにくには胃腸の健康をサポートする可能性のある成分も含まれています。
にんにく 胃腸障害 を改善する

ここでは、にんにくが胃腸障害に与える影響について、その両面から見ていきましょう。胃腸に障害を抱える人には、だいたい神経質な人が多いといわれています。胃が痛む、というときは、過度なストレスがかかっていたり、食生活の問題が引き金となっていることもあります。
極度の緊張やストレスを感じることによって、胃液と胃壁のバランスが崩れ、胃液は粘膜を消化し潰瘍ができやすくなります。こういった時には、消化の悪い食べ物や刺激の強い食べ物を避けましょう。
便秘や下痢は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、末梢血管が収縮したり筋肉が緊張したりして、胃腸の働きが弱くなることで起こります。神経性なものが多いのですが、内臓は緊張して冷えた状態です。
微生物が原因で起こる急性なものは別ですが、便秘や下痢を含めた多くの胃腸障害は慢性的です。それなのに100パーセント薬に頼ってしまうと、薬をやめたらまた症状が戻ってしまって、薬を服用せずにはいられない状態になります。
できるだけ自然治癒力を高めて、日常生活の改善を心がけましょう。
偏った食生活やストレス、運動不足なども胃腸障害の原因となるので、これらを改善していく中で、食生活では次のことにも気をつけましょう。
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- 食物繊維を摂取する
便の量を増やし、老廃物を出します。
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- 乳酸菌を摂取する
腸内のビフィズス菌を増殖させ運動量を活発にし、整腸作用を促します。
胃腸障害に対するにんにく効果
にんにくの有効成分は、次のように胃腸障害の改善に働きます。
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- 胃液の分泌を高めて消化を促進する
胃の中に食べ物が入ると、粘膜からホルモンが出て胃液の分泌を高めます。にんにくの刺激が胃液の分泌を手伝い、消化を促進します。
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- 消化・吸収を助け食欲を増進させる
タンパク質はペプシンという消化酵素によって分解されます。にんにくは、このペプシンの分泌を促して、魚や肉などのタンパク質の消化を助けます。世界中の肉料理・魚料理ににんにくが使われるのは、こういった効果がわかっているからでしょう。
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- 鎮静・安定作用で腸の機能を正常にする
胃腸障害がある人は、胃液分泌のバランスが崩れています。にんにくに含まれている優れたビタミンB1のアリチアミンによって、末梢血管まで拡張し、腸の運動を活発にします。また、神経組織に鎮静と安定作用を与えて、整腸機能を正常にします。
有効成分アリシンは、善玉菌のビフィズス菌を活性化して悪玉菌の増殖を抑制する働きがあります。一方で、強い抗菌力がビタミンB2やB6を増殖させるビフィズス菌を阻止してしまうので、にんにくの食べ過ぎには注意が必要です。
にんにくが胃腸の健康に役立つ可能性のあるメカニズム
- 殺菌・抗菌作用にんにくの代表的な成分であるアリシンには、強力な殺菌・抗菌作用があります。胃腸内で悪玉菌の増殖を抑えたり、食中毒の原因となる細菌を抑制する効果が期待できます。腸内環境の悪化が原因で起こる胃腸の不調(下痢、腹痛など)の改善にも間接的に役立つ可能性があります。特に、ピロリ菌への抗菌作用も研究されており、胃炎や胃潰瘍の予防にも期待されています。
- 腸内環境の改善(プレバイオティクス効果)にんにくにはフラクトオリゴ糖などの水溶性食物繊維が含まれています。これは善玉菌(ビフィズス菌など)のエサとなり、善玉菌の増殖を促進。腸内フローラのバランス改善や、便通の改善、免疫力アップにも役立つと考えられています。
- 消化酵素の活性化(間接的効果)にんにくが直接的に消化酵素を増やすわけではありませんが、胃腸全体の健康をサポートすることで、結果的に消化吸収の改善につながる可能性があります。
にんにく摂取時の注意点(特に胃腸障害時)
一方で、にんにくは刺激が強いため、胃腸の状態によっては逆効果になることもあります。
- 胃粘膜への刺激生のにんにくに含まれるアリシンは、胃の粘膜を刺激することがあります。胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎のある人が多量摂取すると、胸焼け・胃痛・吐き気などの症状が悪化するリスクがあります。
- 下痢の誘発腸が敏感な人や、お腹を壊しやすい人が多量に摂取すると、腸を過剰に刺激して下痢を起こすことがあります。
- ガスの発生(硫化水素ガス)にんにくが腸内で分解される際に発生する硫化水素ガスが、お腹の張り・げっぷを引き起こすこともあります。
まとめと推奨される摂取方法
にんにくは、抗菌作用や腸内環境改善効果により、胃腸の健康維持や不調予防に役立つ可能性があります。
しかし、刺激が強いため、胃腸が弱っている時や胃炎・胃潰瘍がある場合は、摂取を控えるかごく少量に留めることが重要です。
おすすめの摂取方法:
- 加熱して摂取する: 加熱すると刺激が和らぎ、胃腸への負担も軽減。炒め物や煮込み料理でマイルドに摂れます。
- 少量から始める: 少しずつ量を増やし、自分の体質に合う量を見極めましょう。
- 食後に摂取する: 空腹時よりも、食後に摂る方が胃への刺激を和らげやすくなります。
- 不調時は控える: 胃腸の調子が悪い時は、症状が落ち着くまで摂取を避けましょう。
慢性的な胃腸の不調がある場合は、自己判断せず必ず医療機関を受診しましょう。にんにくはあくまで日常の健康維持をサポートする食材として、無理なく上手に活用することが大切です。