きのこの高分子物質も低分子物質もヒドロキシルラジカルの消去に働く

この実験ではさらに、きのこの抗酸化物質が何であるかをしぼりこむため、抽出液を透析したものや煮沸したもので実験が続けられました。

透析というのは、小学校の理科の実験で、その原理を習ったのを覚えているかたもおられるかもしれません。たとえば食塩とデンプンを溶かした水をセロハンの袋に入れ、普通の水に浸けると、食塩は袋の外に溶け出しますが、デンプンは溶け出しません。

こうして食塩のような低分子物質と、デンプンのような高分子物質を膜で分けることを、透析というのです。エノキタケの抽出液を透析してスーパーオキシド消去作用を調べると、透析液(低分子)の消去率はわずか2.5% だったのに対して、透析したあとの液(高分子)は29.9%と透析液の10倍以上にのぼりました。

同様に、マッシュルームを透析したあとの内液(高分子)は、透析前と変わらないスーパーオキシド消去作用を示し、これらの実験から、スーパーオキシド消去に働く活性成分は高分子物質であることが想像されました。

他方、エノキタケの抽出液を透析して、今度はヒドロキシルラジカル消去作用を調べると、透析したあとの内液(高分子) の消去率が46.6% だったのに対して、透析液(低分子)のほうも11.66% の消去率を示したのです。

このことから、きのこの成分のなかでスーパーオキシドの消去に働く成分とヒドロキシルラジカルの消去に働く成分は必ずしも同じでなく、ヒドロキシルラジカルの消去には高分子物質ばかりでなく、何らかの低分子物質も作用を担っていることが明らかになりました。

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