免疫システム ガン細胞 を排除する体内から速やかに排除する

免疫システム ガン細胞

免疫システム ガン細胞 を排除する体内から速やかに排除する仕組みがあります。紹介します。免疫細胞リンパ球は、白血球の約30%を占めているいば特殊部隊です。この大隊は、B細胞、T細胞、NK細胞の3中隊から成っています。

免疫システム ガン細胞

私たちの体内では、毎日数千個もの細胞が正常な機能を失い、がん細胞へと変異していると考えられています。しかし、多くの人ががんを発症しないのは、体に備わった精巧な免疫システムが、これらの異常な細胞を速やかに見つけ出し、排除しているからです。このがん細胞を体内から排除する仕組みは、主に以下の要素によって支えられています。

B細胞は、抗体という弾丸を放つ、射撃の名手です。たとえばインフルエンザ・ウィルスという外敵が侵入すると、敵の特徴(抗原)をよく見定め、この特徴にぴつたりはまる弾丸(抗体)を大量に産生して、リンパ管内に放出します。

ガン細胞 排除
ガン細胞 排除

ガン細胞 排除

この弾丸が当たったウィルスは悪さを働けなくなり、「オプソニン効果」といってマクロファージがそのまわりをとり囲みます。

オプソニンの語源は「おいしくする」という意味のギリシャ語で、抗体の刺さった外敵は、マクロファージが旺盛な食作用を発揮する格好のえじきとなるのです。

インフルエンザに感染すると、リンパ節にこのB細胞をはじめ、ふだん以上に多くのリンパ球が結集するため、腫れてぐりぐりしたものができますが、あのぐりぐりによって、ウィルスが全身に広がるのをくい止めているわけです。

こうしてウイルスが退治されたあとも、血管やリンパ管の道路網には、その年に流行したインフルエンザ・ウィルスを標的とする抗体がまだ残って流れています。カゼを一度ひくと、そ年はもうひかないことが多いのはこのためです。

もしまたカゼをひいたとすれば、それは別の型の抗原を持つインフルエンザ・ウィルスに感染した証拠で、その場合にはB細胞によって再びその型に合う抗体が産生されます。

私たちの体に備わる免疫システムは、このようにたえず侵入して来る外敵を迎え撃つ安全保障システムではないかと、従来は考えられてきました。たしかに安全保障は不可欠ですが、リンパ球のT細胞やNK細胞の働きが明らかになるにつれ、免疫システムは別の役割も持っていることが知られるようになったのです。

一国の社会秩序がつつがなく維持されるには、外敵に対する安全保障システムだけでは十分ではありません。もしその国の内部に秩序を撹乱する者があらわれ、最初はたった1人であったのが仲間をつくり、その仲間が仲間を呼ぶ形で一味の数が際限もなく倍加しっづけたら、どうなるでしょうか?

社会秩序は混乱をきわめ、一味がなおも勢力を拡大しっづければ、やがてその国は滅びてしまうかもしれません。そんなことにならないためには、治安維持システムが必要です。ガン細胞はまさに、正常細胞のなかから生まれた秩序の撹乱者です。リンパ球のT細胞やNK細胞は、この撹乱著すなわちガン細胞を、体内から速やかに排除する治安維持システムという重要な役割を担っていることがわかってきたのです。

1. 免疫監視機構 (Immune Surveillance)

免疫監視機構とは、免疫システムが常に体内をパトロールし、がん細胞などの異常な細胞を早期に発見・排除する能力を指します。これは、がんの発生と進行を抑えるための重要な第一線です。

  • がん抗原の認識: がん細胞は、正常な細胞には存在しない、あるいは量が異常に増えている特定のタンパク質(がん抗原または腫瘍関連抗原)を細胞表面に発現させることがあります。免疫システムは、このがん抗原を異物として認識します。
  • 免疫細胞の活性化: がん抗原が免疫細胞によって認識されると、がん細胞を排除するための免疫反応が開始されます。

2. がん細胞を排除する主要な免疫細胞たち

免疫システムには、がん細胞を直接的または間接的に攻撃・排除する様々な種類の細胞が存在します。

  • NK細胞 (Natural Killer cells:ナチュラルキラー細胞):
    • 特徴: 生まれつき(ナチュラル)異物を殺す(キラー)能力を持つリンパ球の一種で、初期のがん細胞を発見・排除する上で特に重要です。
    • 仕組み: がん細胞やウイルス感染細胞は、しばしばMHCクラスI分子という「自己」を示す目印の発現が低下します。NK細胞は、このMHCクラスI分子の異常を感知し、抗体なしで直接がん細胞を認識・攻撃(細胞傷害活性)します。
  • 細胞傷害性T細胞 (CTL: Cytotoxic T Lymphocytes / キラーT細胞):
    • 特徴: 非常に特異性が高く、特定の「がん抗原」を提示しているがん細胞のみを狙い撃ちで破壊します。
    • 仕組み: がん細胞の表面に提示されたがん抗原(MHCクラスI分子と結合)を、T細胞受容体(TCR)で認識します。その後、パーフォリンやグランザイムといった特殊なタンパク質を放出し、がん細胞に穴を開けたり、細胞死(アポトーシス)を誘導したりして排除します。NK細胞とは異なり、がん抗原を「学習」して記憶するため、一度認識したがん細胞には効率的に反応します。
  • ヘルパーT細胞 (Helper T Lymphocytes):
    • 特徴: 直接がん細胞を攻撃しませんが、免疫反応の司令塔として他の免疫細胞(特にCTLやB細胞、マクロファージなど)を活性化させる重要な役割を担います。
    • 仕組み: がん抗原を認識すると、サイトカインという情報伝達物質を放出し、CTLの増殖や活性化を促したり、B細胞による抗体産生を助けたりします。
  • マクロファージ:
    • 特徴: 体内に侵入した異物や死んだ細胞、がん細胞などを「貪食(どんしょく)」する能力を持つ食細胞です。
    • 仕組み: がん細胞を直接食べたり、がん細胞の増殖を抑制する物質を放出したり、がん抗原をCTLに提示してその活性化を促す役割も担います。ただし、がんの種類や微小環境によっては、がんの増殖を助けてしまうタイプに変化することもあります(腫瘍関連マクロファージ)。
  • 樹状細胞 (Dendritic Cells):
    • 特徴: 最も強力な抗原提示細胞であり、「免疫システムの司令塔」とも呼ばれます。
    • 仕組み: がん細胞の破片やがん抗原を取り込み、それを消化・処理して自身の表面にMHCクラスI/II分子と結合させて提示します。そして、リンパ節へと移動し、未熟なCTLやヘルパーT細胞にがん抗原を「教育」することで、がん特異的な免疫反応を強力に誘導します。
  • B細胞:
    • 特徴: 抗体を作り出すリンパ球です。
    • 仕組み: がん細胞表面の特定の分子を認識し、それに対する抗体を産生します。抗体はがん細胞に結合し、NK細胞によるADCC活性(抗体依存性細胞傷害活性)を誘導したり、補体というタンパク質システムを活性化してがん細胞を破壊したりする働きをします。

3. がん細胞排除の主なステップ

がん細胞が体内に出現してから排除されるまでのプロセスは、以下のステップで進みます。

  1. がん細胞の発生: 正常細胞が遺伝子変異を起こし、がん細胞に変化します。
  2. がん抗原の提示: がん細胞は、異常なタンパク質(がん抗原)を細胞表面に提示します。
  3. 免疫細胞による認識: NK細胞が直接異常を感知したり、樹状細胞ががん抗原を取り込んで提示したりすることで、免疫細胞ががん細胞の存在を認識します。
  4. 免疫反応の活性化: 樹状細胞がリンパ節でT細胞を活性化し、がん特異的なCTLやヘルパーT細胞が増殖・分化します。
  5. がん細胞への攻撃: 活性化されたCTL、NK細胞、マクロファージ、抗体などが、がん細胞を見つけ出して破壊します。
  6. 免疫記憶: 一度がん抗原を認識した免疫細胞は記憶細胞となり、将来同じがん細胞が出現した場合に、より迅速かつ強力に反応できる準備を整えます。

4. 免疫システムの限界とがん免疫療法の発展

多くの場合、この免疫監視機構が機能することで、がんは未然に防がれています。しかし、がん細胞も進化し、免疫システムからの攻撃を巧みに回避するメカニズムを獲得することがあります。例えば、免疫チェックポイント分子を発現させて免疫細胞の働きを抑制したり、がん抗原の発現を低下させて見つかりにくくしたりします。

このような免疫逃避のメカニズムが明らかになったことで、近年では、免疫システムの力を最大限に引き出してがんを治療する「がん免疫療法」が目覚ましい進歩を遂げています。免疫チェックポイント阻害剤などがその代表例であり、がん細胞がかけたブレーキを解除することで、本来の免疫力を回復させ、がんを攻撃させることを目指します。

このように、私たちの体内にはがん細胞の発生を常に監視し、速やかに排除するための非常に精緻な仕組みが備わっているのです。

きのこ

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