ブナシメジ ガン効果 熱水抽出物がガンの増殖を7割以上も阻止するのです。マウスを3群に分け、第1群(正常対照群)には生理食塩水をおなかに注射します。第2群(対照群)には、抗ガン剤マイトマイシンCで増殖力を抑えたルイス肺ガン(LLC)と呼んでいる実験用のガンを移植したあと、生理食塩水をおなかに注射します。
第3群(ブナシメジ群)には、同じくマイトマイシンCで処理したLLCを移植後、ブナシメジの熱水抽出物をおなかに注射しました。こうして1日1回、10 日間の注射を終えたあと、すべてのマウスから牌臓を摘出し、細胞をとり出しました。牌臓は一種のリンパ節のような器官で、リンパ球が密集していますから、とり出された牌臓細胞はリンパ球のかたまりといっても.いいものです。

ブナシメジ ガン効果
ブナシメジには、がんの予防や抑制に役立つとされる様々な成分や作用が報告されています。主なポイントは以下の通りです。
正常対照群にくらべ、対照群ではLLCの移植により、脾臓細胞がガン抗原を認識し始めることが予想されます。もしブナシメジの熱水抽出物に免疫賦清作用があるとすれば、ブナシメジ群の牌臓細胞はガン抗原の認識に加えて、その活性も高まっていることが予想されるわけです。
そこで、それぞれの牌臓細胞とLLCを100対1の比率でまぜたものを、再び各群のマウスに移植したあと、19日日にガンを摘出し、その重さを比較してみたのです。
正常対照群にくらべ、あらかじめLLCを注射された対照群ではガンの増殖が27%阻止されていました。これに村して、ブナシメジ群では増殖阻止率が75%にものぼっていたのです。
この実験から、ブナシメジの熱水抽出物にはたしかにガンを攻撃する免疫システムを克進する作用のあることが証明されたわけです。
では、ガンを移植したマウスにブナシメジそのものを食べさせてみたら、、どうなるでしょうか。ブナシメジの熱水抽出物に含まれていた活性成子おそらくは糖タンパクが、ブナシメジを食べた場合にも体内に摂取され、ガンとの闘いで疲弊したマウスの免疫システムを賦活して、ガンの増殖を抑えこむ効果が期待されます。
1. β-グルカンによる免疫賦活作用
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主要な有効成分: ブナシメジに豊富に含まれるβ-(1→3)-D-グルカン(ベータグルカン)は、最も注目される成分の一つです。これはブドウ糖が結合した多糖類の一種です。
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免疫細胞の活性化: β-グルカンは、マクロファージ、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)、T細胞、B細胞といった免疫細胞の表面にある受容体に結合し、これらの細胞を活性化させると考えられています。
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がん細胞への攻撃: 活性化された免疫細胞は、がん細胞を直接攻撃したり、インターフェロン(IFNs)やインターロイキン(ILs)などのサイトカイン(免疫を調節する物質)の産生を促進したりすることで、がんの増殖を抑制する効果が期待されます。
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抗がん剤「レンチナン」との関連: かつて抗がん剤として用いられていた「レンチナン」も、きのこに含まれるβ-グルカンを精製したものです。
2. 抗酸化作用
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活性酸素の除去: ブナシメジには、抗酸化作用を持つ成分が含まれており、発がんや老化の原因となる活性酸素を除去する働きが期待されています。
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エルゴステロールパーオキサイド: ブナシメジに含まれる「エルゴステロールパーオキサイド」というステロール化合物は、がん細胞の増殖抑制効果を示すことが報告されています。これは、がん細胞内の活性酸素種を増加させ、酸化ストレスを誘導することで効果を発揮すると考えられています。
3. がん転移抑制効果
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マウスを使った実験では、ブナシメジにがんの転移を抑制する効果が確認されています。これは、免疫機能の向上や、がん細胞のアポトーシス(細胞の自殺)を誘導する作用によるものと考えられます。
4. 発がんプロモーション抑制効果
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二段階発がん実験において、ブナシメジに発がんプロモーション(発がんの促進段階)を抑制する効果があることが確認されています。この抑制効果には、「ergosterol(エルゴステロール)」や「ergosterol peroxide(エルゴステロールパーオキサイド)」といった成分が関与しているとされています。
5. その他の成分と効果
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ビタミンB群: ブナシメジはビタミンB群(B1、B2、ナイアシンなど)も豊富に含んでおり、これらは体の代謝を助け、免疫機能の維持にも貢献します。
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食物繊維: 食物繊維が豊富で、腸内環境を整えることで、間接的に免疫力向上にも寄与する可能性があります。
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苦味成分: ブナシメジの苦味成分にも、がん抑制効果が期待されているという報告もあります。
人間での研究事例
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長野県における疫学調査では、エノキタケやブナシメジを「ほとんど食べない人」に比べて「週3回以上食べる人」は、胃がんや大腸がんのリスクが減少する傾向が見られました。
注意点
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これらの研究は、細胞実験や動物実験の段階であるものや、疫学調査による関連性の示唆が多いです。ブナシメジを摂取するだけでがんが治るというわけではありません。
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がんの治療や予防には、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、節度ある飲酒など、総合的な生活習慣の改善が重要です。
ブナシメジは、手軽に手に入る食材でありながら、多くの健康効果、特にはんへの効果が期待される成分を含んでいます。日々の食生活に積極的に取り入れることは、健康維持に役立つと考えられます。
ガン予防 きのこ を毎食食べる エノキダケとブナシメジの毎食摂取が基本