にんにくには、心臓病の予防に役立つ可能性のある様々な成分や作用があると考えられています。主なメカニズムとしては、以下のような点が挙げられます。
にんにく 心臓病 を予防

心臓病の代表といえば、狭心症と心筋梗塞ですが、そのおもな原因となるのは、動脈硬化といわれています。この動脈硬化を招いてしまうのは、偏った食事や日頃からの運動不足、また喫煙や飲酒などです。生活習慣の違いによって、動脈硬化の進行にも差がでます。
動脈硬化は加齢とともに進行します。これは老化現象ともいえますが、動脈硬化は突然あらわれるものではなく、実は若い頃から始まっているのです。そして、着実に動脈硬化は進んでいます。40歳を過ぎる頃になると症状があらわれてきて、私たちは初めて動脈硬化の進行を知ることがほとんどです。
動脈硬化を予防するには、早めの対策が必要です。不規則や不摂生な食生活、喫煙、運動不足などの日頃の生活習慣を見直しましょう。
生活習慣病を予防することで心臓を守る
にんにくを摂取することで心臓の機能を高めるわけではなく、心臓に悪影響を与える高血圧や高脂質、動脈硬化などの諸症状の予防や改善を促すための効用です。
特に、抗血栓作用によるコレステロールの除去には、大きな効果を発揮します。
心臓病を予防するには、血管を健康に保ち、血液をうまく循環させることが大切です。ところが、現代人は、血液がドロドロの状態になっている人が実に多いのです。
まずは、日頃の生活習慣をしっかりと見直し、その上で、心臓病の予防の効果が期待できるにんにくの力をうまく使って、健康的な毎日を送りたいものです。
にんにくが心臓病予防に役立つ可能性のあるメカニズム
- 血圧降下作用:
- にんにくに含まれる「アリシン」などの硫黄化合物は、血管を拡張させる作用があるとされています。これにより、血流がスムーズになり、血圧を下げる効果が期待できます。
- また、カリウムも含まれており、体内のナトリウム(塩分)排出を促進することで、血圧のコントロールに役立つとされています。高血圧は心臓病の重要なリスク因子の一つであるため、血圧を下げることは心臓への負担を軽減し、心臓病予防につながります。
- コレステロール値の改善:
- にんにくは、肝臓でのコレステロール合成を阻害する作用が示唆されています。特に悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の低下や、善玉コレステロール(HDLコレステロール)の増加に寄与する可能性が報告されています。
- 水溶性食物繊維も豊富に含まれており、コレステロールの吸収を抑える効果も期待できます。
- 抗血栓作用(血液サラサラ効果):
- アリシンなどの硫黄化合物には、血小板の凝集を抑制する作用があることが知られています。これにより、血液が固まりにくくなり、血栓の形成を予防する効果が期待できます。
- 血栓は心筋梗塞や脳梗塞の主要な原因となるため、血液をサラサラに保つことは心臓病予防において重要です。
- 抗酸化作用:
- にんにくには、ポリフェノールや硫黄化合物など、強力な抗酸化物質が含まれています。これらの成分は、体内で発生する活性酸素を除去する働きがあります。
- 活性酸素は、血管の内皮細胞に損傷を与え、動脈硬化を進行させる原因となります。抗酸化作用によって血管の老化を防ぎ、動脈硬化の予防に役立つと考えられています。動脈硬化は、心臓病(狭心症、心筋梗塞など)の根本的な原因の一つです。
- 抗炎症作用:
- 炎症は心血管疾患の病態に重要な役割を果たすと考えられていますが、にんにく由来の有機硫黄化合物は炎症性酵素の活性を阻害する可能性が示されています。
研究と注意点
多くの研究で、にんにくの摂取が血圧、コレステロール値、血小板凝集などに良い影響を与え、心臓病のリスクを低減する可能性が示唆されています。特に熟成させたニンニクエキスが動脈プラークの減少に役立つという研究もあります。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 医薬品との相互作用: にんにくには血液凝固を抑制する作用があるため、ワルファリンなどの抗凝固薬を服用している方は、出血傾向が増強される可能性があるため、医師に相談が必要です。また、降圧薬や血糖降下薬との相互作用も報告されています。
- 過剰摂取: 健康に良いからといって大量に摂取すると、胃腸の不調などを引き起こす可能性があります。適量を継続的に摂取することが重要です。
- 食生活全体: にんにくだけに頼るのではなく、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙など、心臓病予防のための総合的な生活習慣が最も重要です。
総じて、にんにくは心臓血管系の健康をサポートする可能性を秘めた食材であり、日々の食事に適量を取り入れることは、心臓病予防の一助となるでしょう。しかし、特定の疾患を持つ方や服薬中の方は、事前に医師や薬剤師に相談することをお勧めします。