にんにく 動脈硬化 を改善するという情報の真偽にせまってみたいと思います。にんにくが動脈硬化を改善するという主張は、一部の研究で示唆されていますが、現時点では「改善する」と断定できるほどの十分な科学的根拠は確立されていません。 ただし、ニンニクに含まれる特定の成分が、動脈硬化のリスク因子を減らす可能性については、多くの研究がなされています。
にんにく 動脈硬化を改善する
健康な人の血液100ミリリットルの中には、成人の場合で100~200ミリグラムのコレステロールが含まれているといわれています。そして、高脂肪の食事を続けていると血中コレステロールの量が増えていき、動脈硬化を起こしやすくなります。
血管壁に過酸化脂質などが溜まったり、血栓ができることで血流が悪くなって、動脈硬化が起こります。
自覚症状が出てきたときには、すでに症状が進行してしまっていることが多くて、血管の内側が狭くなって血圧も上がります。これをそのまま放っておくと、腎症や網膜症、脳梗塞や心筋梗塞などを併発する可能性があるのです。
動脈硬化が起こる原因としては、おもに不規則で不摂生な食生活、喫煙があげられます。また、ストレスや運動不足、肥満などもあります。病院で中性脂肪やコレステロールの値が高いと診断されたら、すぐに食生活を改善しなければなりません。コレステロールを低下させる食品を選んで食べ、摂取カロリーをある程度抑えます。コレステロールを低下させる食品とは、食物繊維が含まれているもの、緑黄色野菜、ビタミンCやビタミンEが含まれているもの、多価不飽和脂肪酸(DHAやEPA)が含まれている魚類などです。
動脈硬化に対するにんにく効果
にんにくの有効成分アリシンは、動脈硬化の改善に次のように働きます。
- コレステロール値を低下させる
- 血管を拡張させる
- 血栓を起こしにくくする
アリシンは、脂質と結合して脂質アリシンに変わり、ビタミンEと同様の働きをします。ビタミンEは、過酸化脂質を除去して、コレステロールの除去や排泄を促すのです。ですから、肉や卵、バターといったコレステロールを多く含んだ食品でも、にんにくと一緒に食べると血中コレステロール値を抑えてくれます。
脂質アリシンには血管拡張作用があり、血管を広げて赤血球を活性化し、酵素を体内に運んで血液の循環を良くします。
動脈硬化が進行してしまうと血小板凝集が起きやすくなり、脳出血や血栓の形成の引き金となりますが、アリシンが加熱されたときに生じるアホエンが、血小板に対して凝集の抑制を促します。
ニンニクが持つ可能性のある効果
ニンニクには「アリシン」をはじめとする硫黄化合物やポリフェノールなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。これらの成分が、動脈硬化の予防や進行抑制に良い影響を与えると考えられています。
- コレステロール値の改善: アリシンなどの成分が悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑え、コレステロール値を適正に保つ働きがあるという研究があります。LDLコレステロールの酸化は動脈硬化の初期段階で重要なため、この効果が期待されています。
- 血圧の低下: ニンニクの血管拡張作用により、血圧をわずかに下げる効果があるという報告もあります。高血圧は動脈硬化の主要なリスク因子の一つであるため、血圧の安定は重要です。
- 血栓の予防: ニンニクには血小板の凝集を抑え、血液をサラサラにする効果があるとされます。これにより、動脈硬化で狭くなった血管が詰まるリスクを減らす可能性があります。
注意点と現状
これらの効果はあくまで「可能性がある」という段階であり、大規模な臨床試験で明確に証明されたわけではありません。また、ニンニクの摂取量や、生で食べるか加熱するかによっても、含まれる成分量や効果は変わります。
ニンニクはあくまで「食品」であり、医薬品ではありません。動脈硬化の治療には、医師の指導のもとで食事療法や運動、必要に応じて薬物治療を行うことが不可欠です。
そのほか、新陳代謝が活発になり自然治癒力が高まって、心臓機能の強化にもつながります。