もっとも危ないのはこういう人

もっとも危ないのはこういう人 という例を紹介します。同じ仕事をしていても自分に裁量権のない人の場合は、心の苦悩が加わり、やつれやすく病気を引き起こしやすい体質になります。

もっとも危ないのはこういう人 同じ仕事でも元気な人と身体を壊す人の違い

やる気に満ちている人や、生命力にあふれている人を、我々はよく「あの人は燃えているね」とか「熱い人だね」とたたえる場合があります。

実はこれは、免疫学的に解釈してもそれなりに理にかなったものなのです。てもそも人間の生命活動を行なう酵素が、もっとも活発に働く体内環境は、体温が37.1度から37.2度といわれています。

37.2度というと「ずいぶん高いね」と思われる方もいらっしやるでしょうが、これはあくまでも身体の深部の温度基準であり、私たちが通常温度を測っているのは身体の表面温度です。

身体の表面は体温より低い外気にふれているため深部の温度より少し低めになるのです。体温を測る場所はさまざまありますが、一般的にはわきの下と考えていいでしょう。

わきの下で測ってみて36.5度くらいあれば免疫力も正しく作用し、健康体であるということができます。さて、こうした体温と人の免疫力の関係ですが、たとえば、IT企業の経営者であるとか、売れっ子のタレントさんなどは、体温の高い人が多いものです。

36.88度とか36.9度とか、中にはいつ測っても37度あるという人もいます。たしかに体温が高いということは免疫力を正しく機能させる大切な要因ではありますが、つねに高体温というのは生きる力を高めるということにつながるため、身体的な負荷がかかることは言うまでもありません。

たとえば、毎日のようにテレビの司会のレギュラー番組を持っている有名タレントさん。肌の色が妙に黒いと思いませんか? あの黒さも高体温により分子酸化が進んだ結果の果さだと思われます。

つまり紫外線に当たらなくても肌が黒くなるという人は、体内が疲弊している証拠。健康の「赤信号」ならぬ「黒信号」と考えていいでしょう。

とはいえ、精力的に働く経営者やタレントが、どれだけ度を越えた仕事量をこなしていても決定的なダメージを受けない理由は、「自由裁量権」というものを持っているからにほかなりません。

同じ仕事をしていても自分に裁量権のない人の場合は、心の苦悩が加わり、やつれやすく病気を引き起こしやすい体質になります。
ある程度の地位になってからの方が仕事量も増えるし責任も大きくなるわけですが、自分が先頭に立つということは、自らで決定を下せる自由度もあるため、心もバランスは保ちやすくなってきたように思います。

自由裁量権のない人が多い日本社会

つまり一番危ないのは、忙しくて自由裁量権を持たない人です。企業における中間管理職の方々などがその最たるものといえるでしょう。

下からは突き上げられるし、上からは頭ごなしに発破をかけられる。身体を壊す人というのは、こうした「ある程度の責任を与えられながらも決定権を持たない人たち」なのです。

いまベストセラーになっている『病気にならない人は知つている』という本を参考までに読んでみたのですが、あの本の中には長時間労働による健康被害というのは出てきません。なぜなら、あの本の著者が「老けない生き方」に変わるヒント人だからなのです。そもそもアメリカには、長時間労働というもの自体がありません。もちろん会社の社長が忙しく働きまわる、

自由裁量によって行動するという場合はありますが、いわゆる雇用者が長時間働く超過勤務ということはない。そんなことを強いれば奴隷と間違われるという考え方です。

だからこそ、誰もが5時には会社を出るという社会なのです。これはヨーロッパの人もしかりで、仕事は生活をエンジョイする手段という考え方が根付いています。

それに反して日本人の場合は、働くこと自体に意義を見出しているようなところがある。それに加えて自由裁量権が非常に乏しいという、まさに二重の責め苦にあっているような労働環境なのです。

欧米では、たとえば芸術家などでも、彼らはまったくの自由裁量なわけだから「プレイザピアノ」という。つまり自由裁量の世界では、仕事でも「プレイ」であり「ワーク」です。ところが日本のように、雇用者が半強制的な長時間労働を強いられたら、これはもう「レイバー(苦役)」になってしまうのです。

人間というのは誰でも奴隷ではないのだから、雇用者にそれを強いることはレイバーを強いるのと同じことです。自由裁量のない人に長時間労働を強制しても、悪の感覚を持てない。こうしたことを見ても、日本社会の雇用環境というのがいかに歪んでいるかが分かります。
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