どくだみ 薬効 について紹介します。どくだみは、その独特の香りと強い生命力から、古くから日本の三大民間薬の一つとして親しまれてきました。その薬効の多さから、乾燥させたものは「十薬(じゅうやく)」とも呼ばれ、様々な形で利用されています。
どくだみ 薬効
日本の三大民間薬の一つとして古くから親しまれているどくだみは、その独特な香りと強い生命力から、健康や美容に良い様々な薬効を持つことで知られています。
乾燥させたどくだみは「十薬(じゅうやく)」とも呼ばれ、文字通り「10の薬効がある」と言われるほど、内側からも外側からも私たちの体をサポートしてくれます。
どくだみの主な薬効と成分
どくだみの薬効は、含まれる成分によって異なります。生の葉と乾燥させたものでは、期待できる効果に違いがあるのが特徴です。
生のどくだみに期待される薬効
- 抗菌・抗炎症作用: 独特の香りの元である「デカノイルアセトアルデヒド」には、強い抗菌作用があるとされています。この成分は乾燥させると失われるため、生の葉を外用薬として使用することが多いです。
- 外用(塗る、貼る): 生の葉をすりつぶして、吹き出物、化膿した傷、水虫、痔などに塗布すると、炎症を鎮め、化膿を抑える効果が期待されます。
- 飲用: 生の葉の絞り汁は、蓄膿症や鼻炎の際に鼻に垂らすという民間療法も知られています。
乾燥させたどくだみに期待される薬効
- 利尿作用とデトックス: どくだみには「クエルシトリン」や「カリウム」が豊富に含まれており、これらは体内の余分な水分や塩分を排出し、むくみの改善に役立ちます。この利尿作用が、便秘解消やデトックス効果にもつながると考えられています。
- 便通改善: どくだみには食物繊維も含まれており、腸の働きを活発にして便通を促す効果が期待できます。
- 毛細血管の強化と血圧降下: 「ケルセチン」や「クエルシトリン」などのフラボノイド成分は、血管を丈夫にし、血流を良くする作用があるとされます。これにより、高血圧や動脈硬化の予防に役立つといわれています。
- 美肌効果: 体内の老廃物を排出するデトックス効果や、抗酸化作用により、肌荒れやニキビの改善、シミ予防など、美容面での効果も期待されています。
どくだみの利用法
- どくだみ茶: 乾燥させたどくだみを煎じて飲むのが最も一般的です。毎日飲むことで、体質改善やデトックス効果が期待できます。
- どくだみチンキ: 生のどくだみをアルコールに漬け込んで作るチンキは、化粧水や虫除けスプレー、うがい薬としても利用できます。
- 入浴剤: 生または乾燥させたどくだみを布袋に入れて湯船に浮かべると、肌荒れやあせもに良いとされています。
このように、どくだみは内側からだけでなく、外側からも様々な効果をもたらす薬草として、古来より人々の健康を支えてきました。
どくだみの成分
中国から日本へ伝わったとされるどくだみですが、中国では、生魚のにおいにも似ているどくだみの生の葉が、いろいろな病気に効能のある野草として珍重されていたといいます。
どくだみの生葉のきついにおいは、デカノイルアセトアルデヒドという物質がもとで出るものですが、これには、糸状菌(カビ)やブドウ状球菌に対しての制菌力が強くあるとされています。しかし、乾燥した葉の中では別の物質に変化し、制菌力は無くなります。デカノイルアセトアルデヒドは蒸発しやすい性質を持っているため、こういった効果は新鮮な生の葉のみに限られるのです。
一方、乾燥した葉には、ルチンと同様な作用のある物質、利尿作用、緩下作用を示す成分があります。ルチンと同様な作用というのは、毛細血管の老化を予防し血管を丈夫にするはたらきを指します。ルチンは、丈夫な血管をつくるのに欠かすことのできないコラーゲンの合成を助けるビタミンCの吸収を促進し、血管の老化を抑制するので、ビタミンCを一緒に摂るといいです。
乾燥させたどくだみの葉、十薬には、生葉のようなクセはなく、お茶にしても飲みやすくて、抵抗なく飲めます。
また、フラボノイドという植物の色素成分が多く含まれていて、抗酸化作用や便秘の改善、老廃物の排泄の促進などの効果が期待されています。そして、高血圧の原因となるナトリウムを排出するカリウムが高濃度に含まれているため、血圧を下げる効果にも期待ができます。
薬害のないどくだみ
薬というのは、病気を癒やすことはあっても、生命を救うことはできません。薬を過信したり乱用すると、恐ろしい結果を招く可能性があります。とてもよく効くという薬ほど、副作用を考えなければならないのです。
いろいろな抗生物質が開発されていますが、カビに対する抗生物質などは、非常に強烈で、人体に有害となる毒性もあります。さらに、私たちの体内では、この薬害に対する耐性菌が発生します。こうして、細菌と新薬とのイタチごっこが繰り返されるのです。
その点どくだみは、日本でも古くからの経験薬であり、長い歴史を持つ生薬です。薬害の心配はありません。
どくだみ茶



