ココアは精神安定剤

集中力が必須の受験勉強中のリラックスにココア

高校生の頃、受験勉強をしている合間によくココアで一息ついた思い出があります。ひたすら勉強だけするより、適度に休憩を入れた方が能率がいいんです。体を動かしていなくても、頭脳労働をしていると疲れを感じて、甘いものがほしくなります。

ココアには集中力を高めるという効果もあるんですよね。子どもの頃は、珠算の最年少チャンピオンになったこともあります。その当時は珍しくもあったのか、テレビ出演を依頼されて、あるテレビ番組に出演しました。緊張のためか、番組の中で出題された暗算問題を間違えてしまったんです。その時のアナウンサーの方が親切に私を慰めてくださったのが、今でも忘れられません。私がいろいろと悩んだすえに、アナウンサーという職業を選んだのも、あの時のアナウンサーの方の優しさが忘れられないからかもしれません。

疲れと緊張の体を癒やす

私の仕事は、中継やロケが主なので、暑い夏も寒い冬も外に飛び出していって、さまざまな情報を視聴者の方々にお届けします。現在はフジテレビ系列の「目覚ましテレビ」という番組で、北海道から全国に生中継を行っています。週に1度、列島村決というコーナーで北海道からのナマの情報を届けているのですが、冬は氷点下まで気温が下がり、体が冷えきって立っているだけで疲れてしまいます。生放送ということもあり、緊張感も一層高まる瞬間でもあります。
朝の5時5分と7時頃の2回、生中継に出演しますが、1回目と2回目の間にココアを飲むようにしています。ココアを飲むと、体が温まり、不思議と精神的にも落ちついてきます。また、深夜番組のロケで一日中外を飛び回って、会社に戻った後ココアを飲むと、ホッと一息つくことができます。ココアを小さい頃から飲んできましたが、精神的にも肉体的にもハードな現在の仕事の合間にココアを飲む機会がかえって多くなっているような気がします。
甘い物に目がない私は、油断をするとすぐ太ってしまうので、食べ物には気を付けています。体力が必要な仕事なので、食べないわけにはいかないし、食べ過ぎるわけにもいかないというジレンマに悩むこともあります。

しかし、ココアを飲むと、忙しい時はおなかの足しになり、甘い物を食べたいと思った時はお菓子の代用品になります。ココアは、コレステロールを下げる効果もあると聞いたので、これからも安心して健康と美容のために飲み続けていくと思います。

カカオの様々な効能

社内でもチョコレート担当は元気いっぱい

チョコレートとの出会いは、学生時代。私は陸上の400メートルの選手だったのですが、試合前日に、当時はまだ高価だったチョコレートをよく食べていました。そういうときは、成績がよかったですね。その後、明治製菓に入社して約40年、チョコレートやココアの生産、研究、商品企画に携わってきました。プロとしてチョコレートを食べ、ココアを飲んだりしてきたわけです。平均すると、普通の板チョコ1枚ぐらいに相当するカカオを、毎日食べ続けてきているのではないでしようか。

25年ほど前から出張で原産国に足を運ぶようになってから、今度は、カカオの歴史に強く引かれるようになりました。もともとマヤ文明に興味を持っていたことや学生時代にスペイン語を勉強していたことも影響したのでしょう。出張のたびに仕事の合間をぬって、カカオの歴史を訪ね歩きました。紀元前1100年ごろの地層から、すでにカカオの殻(カカオポット) の繊維が見つかっています。カカオはそれぐらい古い歴史を持っているのです。

リラックスタイムに欠かせないカカオ

カカオには、晴好品としては珍しく食物繊椎が豊富に含まれていることは、実は、20年ほど前から指摘されていたことです。4年ほど前、明治製菓の食料総合研究所の所長に就任してから、本格的にカカオの成分についての研究を始めました。きっかけになったのが、ココアバター。人間の体温に近い温度でさっと溶け、まるで、人間のためにつくられたかのような組成を持っていること、また酸化しにくい安定した油脂であることは、経験的に知っていました。

これらが研究の鍵になると考えたのです。大学の研究所の協力も得て、半年後ぐらいからさまざまなデータが出てきました。
この結果、ココアバターがコレステロールを下げる効果があることや、カカオにはアルコール性の潰瘍を防止する成分が含まれていること、ミネラルのバランスが非常にいいことなどがわかってきました。
古代メキシコでは、不老長寿の薬として珍重されたり、「神々の食べ物」と呼ばれたりしていたカカオですが、歴史が古く、それだけ長く食べ続けられている食物は人間に合うようにできているのだということを実感します。オフィスではコーヒーを飲みますが、自宅ではココア。冬は電子レンジで温めた牛乳でココアをつくります。夏は、冷たい牛乳でも溶ける冷用ココアをお勧めします。私が開発担当の責任者だったときに開発した製品ですから(笑)。とくに、仕事を終えて帰宅して、ほっと一息、というときには、やはりココアがピッタリだと思います。

ココア独特の甘い香りで心身の緊張が和らぐ

アロマ効果もあるココアの甘い香り

小さい頃から大のココア好きで、コーヒーや紅茶より、ココアを飲む機会が多かった私ですが、毎日のバスタイムで「ココア風呂」を楽しむようになったのは、半年前からです。ココアの魅力は、なんといってもその香り。
ココア独特の甘い香りを嘆いでいると、なんとなくホッとして、リラックスした気分になりますよね。「ココアをお風呂のお湯に入れて、この香りを楽しんでみたらどうかしら?」ココア風呂を始めたきっかけは、そんな単純な思いつきなんです。
もともと私は、アロマテラピー(芳香療法) に関心があり、ストレス解消にいろいろな香りを利用しているのですが、ココアの香りには、アロマテラピーとしての効果が十分にあると思います。
翌日、仕事で大きな仕事を抱えたりしていて寝付けないときにはアロマオイルを入浴の時に使ったりして体の緊張をときほぐし、就寝前にココアを飲むとぐっすり眠れます。

眠れない | アロマテラピーの効能・効果

ココア風呂につかりながら1日のストレスを解消

声優という仕事柄、精神的な緊張を強いられることが多く、ストレスが溜まりやすいんです。そんなとき、湯船の中に少量のココアパウダーを垂らし、お風呂につかりながら、甘くて優しいココアの香りを喚いでいると、心も体もリラックスして、1日の疲れが癒されていくのがわかります。飲むだけでなくバスタイムにココアの香りをかぐととてもいい安らぎます。ココア風呂に入るようになってからは、寝付きもよくなり、しっかりと熟睡できるようになりました。
今では、ココア風呂に入らないと一日が終わらない、そんな感じです。

アトピーにも効果抜群スベスベの肌を実感

最近、ココアのさまざまな効用が話題になっています。ココア愛飲歴の長い私の体験からいわせてもらうと、ココアには香りによるリラクゼーションのほかに、肌の調子を整える効果があると思います。私は軽いアトピー性皮膚炎で、以前は肌のかさつきやかゆみなどの症状に悩まされていました。でも3年前、帰宅後に1杯のココアを飲むことを習慣にしてからは、症状がグンと軽くなりました。

効果が実感できたのは、ひと月ほど経った頃から。カサカサしていた肌は潤いを増してスベスベになり、かゆみもしだいに気にならなくなりました。
最近では、心なしか皮膚が強くなってきたような気がします。

連日、深夜までの収録で寝不足が続いても、ココアを飲んでいれば、肌が荒れることもありません。心身ともにリラックスさせて、安らぎを与えてくれると同時に、肌の調子も整えてくれるココア。改めて、ココアの意外な効用に驚くと同時に、大満足している私です。これからもずっと、ココアとの素敵なつきあいを続けていこうと思っています。