フリーラジカルが消去される

発ガン物質などの刺激で、細胞の周辺にフリーラジカルが発生して遺伝子や細胞膜を傷つけているといわれても、あまりピンとこないかもしれません。
細胞を構成している物質に分子レベルで起こる化学反応の話なので、無理もありません。

専門の研究者でさえ、このフリーラジカルを捉える実験方法の確立には苦労しているのです。そうして確立されたフリーラジカルの測定法の1つに、ESR法(電子スピン共鳴法)があります。

フリーラジカルが不対電子を持つためにわずかながら磁気を帯びている性質に着目して、この磁気をESR装置で捉えることにより、フリーラジカルの発生量を心電図や脳波のような波形の高低として知ることができます。ESR装置のなかで実験的にフリーラジカルを発生させたときにできる波形の高さが、ビタミンCを加えると低くなったとすれば、発生したフリーラジカルがそのぶんだけ消去されたことを意味します。

波形がまったくの平らになれば、ビタミンCによってフリーラジカルが完全に消去されたことを示します。ちなみに、フリーラジカルが「消去される」という耳慣れない表現は、このESR法に由来するのです。

皆さんには、細胞の内外に発生したフリーラジカルという有害物質がビタミンCによって「除去される」とか「とり除かれる」というほうがわかりやすいかもしれませんが、

こうした表現はやや正確さに欠けます。ESRの捉えたフリーラジカルの波形がビタミンCによって平らになったとき、そこで起きたことは、フリーラジカルの性質を帯びた物質そのものがどこかに消えてなくなった、ということではありません。

それは、フリーラジカルがビタミンCから電子を1個もらうことによって安定した物質に変化し、フリーラジカルとしての性質を失ったことを意味するのです。波形の高さによって示されたその性質が、消しゴムで消したかのように消え失せる様子をさして「消去される」といっているわけです。

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