どくだみという薬草を知っていますか?どくだみは、古くから民間薬として重宝されてきた薬草です。漢方の生薬名では十薬(じゅうやく)と呼ばれています。
一般にどくだみには利尿作用があることが知られていて、どくだみ茶としてもたくさん販売されています。
「どくだみ」というあまり音の響きの良くない名前は、諸説がありますが、生のどくだみが持っている特有の臭いが、まるで毒を溜めているようだということに由来して名づけられたといわれています。
どくだみの生態
どくだみは東アジアに分布する多年生の野草で、日本でも全国各地で見ることができます。草木の高さは30センチくらいで、陰地や湿地に群生します。地下の根茎は白くて、横に長く伸び、枝分かれしています。そして、枝の切れ目から、次から次へと芽を出し繁殖します。
その繁殖力はとても強くて、根茎が少しでも残っていると、いくらむしり取っても、除草するのがなかなか難しいといいます。一度根付くと絶やすことができない、しぶとい草であるということから、「シブト草」という別名があるほどです。
梅雨の頃になると、黄色い穂状の花をつけます。一般的に4枚の白い花びらのように見えるのは、実は本当の花ではなく総苞片(そうほうへん)と呼ばれる器官です。花を保護する4枚の総苞が十字形に付いていて、花の咲く時期になると、1枚ずつ開いていくという特徴があります。
花が散った後には果実がつくのですが、形は球状で、色は深い褐色をしています。そして種はできますが、そこから子孫はできないといいます。
葉はハートのような形をしていて、茎に互い違いになるように、まばらに付いています。この葉に独特のにおいがあるのですが、においのもとになっているのが、デカノイルアセトアルデヒドという成分です。