1兆個の リンパ球 増やすには 特異的免疫の担い手は体内を流れる

リンパ球 増やすには

1兆個の リンパ球 増やすにはどうしたらいいでしょうか。リンパ球は、私たちの体を細菌、ウイルス、がん細胞といった異物から守る免疫システムの重要な働き手です。リンパ球を適切に増やすことは、免疫力を高め、病気にかかりにくい体を作る上で非常に有効です。

リンパ球 増やすには どうしたらいいか

リンパ球は、私たちの体を細菌、ウイルス、がん細胞といった異物から守る免疫システムの重要な働き手です。リンパ球を適切に増やすことは、免疫力を高め、病気にかかりにくい体を作る上で非常に有効です。

リンパ球は免疫システムの重要な要素であり、細菌、ウイルス、がん細胞などと戦う役割を担っています。リンパ球を増やすことは、免疫力を高め、病気に対する抵抗力を向上させる上で非常に役立ちます。

ただし、リンパ球が異常に増える場合は、感染症や特定の血液がん(白血病、リンパ腫など)の可能性もあるため、健康診断などでリンパ球数に異常が見られた場合は、必ず医師に相談し、適切な診断を受けることが重要です。

ここでは、健康な方がリンパ球を増やすためにできる一般的なアプローチについて解説します。

1. 食生活の改善

リンパ球の生成や機能には、様々な栄養素が不可欠です。

  • タンパク質: 免疫細胞そのものの材料になります。肉、魚、卵、大豆製品(豆腐、納豆など)、乳製品をバランス良く摂取しましょう。
  • ビタミン(A, C, E, B群など):
    • ビタミンA(β-カロテン): 粘膜の健康維持に重要で、マクロファージ(リンパ球の一種)の増強に役立つと言われています。人参などの緑黄色野菜に豊富です。
    • ビタミンC: 白血球の働きを強め、免疫力アップに貢献します。柑橘類、野菜(ブロッコリー、ピーマンなど)、イモ類に多く含まれます。
    • ビタミンE: リンパ球の増殖を促進し、NK細胞やマクロファージの活性を改善すると言われています。ナッツ類、かぼちゃ、アボカドなどに豊富です。
    • ビタミンB群: エネルギー代謝や細胞の生成に関わります。卵、納豆、乳製品、レバーなどに含まれます。
  • ミネラル(亜鉛など):
    • 亜鉛: 免疫細胞の生成や機能に不可欠です。亜鉛が不足すると、Tリンパ球の減少や胸腺の萎縮につながる可能性があります。牡蠣、肉類、豆類などに含まれます。
  • 魚の油(EPA・DHA): 抗炎症作用があり、リンパ球を減らす原因となる炎症を抑えるのに役立ちます。青魚(サバ、イワシ、マグロなど)に豊富です。
  • 発酵食品: ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ、甘酒などの発酵食品は、腸内環境を整え、腸に多く存在する免疫細胞(リンパ球の約60~70%が腸に集中していると言われています)の活性化に寄与します。
  • 食物繊維: 腸内環境を整え、善玉菌を増やします。ごぼう、レタス、豆類、きのこ類、海藻類などに豊富です。
  • フィトケミカル(ポリフェノールなど): 野菜や果物などに含まれる色素や香り成分で、抗酸化作用があり、白血球の働きを高めます。緑茶(カテキン)、ココア、赤ワイン、そば、様々な色の野菜や果物に多く含まれます。

2. 生活習慣の改善

  • 適度な運動: 適度な運動は、血液中の白血球数(リンパ球を含む)を増やし、免疫細胞の活性化を促します。ウォーキングなど、うっすらと汗をかく程度の運動を習慣にしましょう。ただし、激しすぎる運動はかえって免疫力を低下させる可能性があるので注意が必要です。
  • 体を温める: 体温が低いと免疫細胞の活動性が低下します。入浴で体を温めたり、湯たんぽなどでお腹を温めることもリンパ球の増加に繋がるとの報告もあります。汗をかかない程度の適度な保温を心がけましょう。
  • 質の良い睡眠: 睡眠不足は免疫力低下に直結します。十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
  • ストレスの軽減: ストレスは免疫システムに悪影響を与えます。リラックスできる時間を作ったり、趣味を楽しむなどしてストレスを適切に管理しましょう。
  • 禁煙: 喫煙は免疫力を低下させる要因となります。
  • 笑う: 笑うことはNK細胞(リンパ球の一種)を活性化させることが知られています。作り笑いでも効果があると言われています。

3. サプリメントの活用

食事や生活習慣の改善が難しい場合、サプリメントの活用も選択肢の一つとなります。ただし、サプリメントはあくまで補助であり、基本的な食事や生活習慣が最も重要です。

  • 乳酸菌(プラズマ乳酸菌など): 特定の乳酸菌は「免疫の司令塔」と呼ばれるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を活性化し、免疫機能の維持に役立つことが報告されています。
  • きのこ由来成分: シイタケ菌糸体や霊芝など、きのこ由来の成分には免疫細胞の活性化を促す働きが期待されています。
  • 亜鉛、ビタミンD: これらの栄養素が不足している場合は、サプリメントで補給することも検討できます。

専門的な治療(医療機関での相談)

もしリンパ球数が極端に少ない、あるいは何らかの疾患が疑われる場合は、自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

  • 活性化リンパ球療法: がん治療の一環として、患者自身のリンパ球を体外で培養し、活性化させてから体に戻す治療法があります。これは医療行為であり、専門のクリニックや病院で行われます。

リンパ球を増やすためには、総合的なアプローチが重要です。日々の食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理を心がけ、健康な免疫システムを維持しましょう。

この国では、必要な食糧を海外から輸入する貿易(胃腸)や、食品を加工して保存する技術(肝臓)、食糧を全国に流通させる道路網(循環器系) などが発達していて、60兆にものぼる国民が飢えることなく生活する仕組みが成り立っています。
あらゆる仕事は世襲制で、老いて死んでゆく者(細胞)があると新しく生まれた者がその仕事を受け継ぎ、社会に一定の秩序が保たれています。

この国の弱点の1つは、乏しい食糧資源を海外からの輸入に頼っていることです。諸外国とのたえざる交流(呼吸や食事) によって、必要な食糧資源とともに、社会秩序をおびやかす外敵がたえずこの国に侵入して来るのです。

このような外敵の侵入に備え、全国の道路網に沿うようにして「リンパ管」と呼ばれるもう1つの道路網が形成され、血管やリンパ管の中を1兆~2兆もの「リンパ球」という警備隊が巡回パトロールに当たっています。

リンパ管のところどころ太くふくらんでいる場所は「リンパ節」とか「リンパ腺」と呼ばれる、この警備隊が集合する溜まり場です。外敵と闘う兵士にはリンパ球のほかにも「好中球」や「マクロファージ」などがいて、これらの防衛軍は「白血球」と総称されています(図2)。たとえば細菌という外敵が侵入してくると、まっ先に駆けつけて退治するのが好中球です。

好中球は白血球のなかで最も数が多く約60%を占めている歩兵で、細菌と取っ組み合いをして最後は丸飲みにしてしまうため、その働きは「食作用」などと呼ばれます。その寿命は約8日と短く、生まれて闘っては次々に死んでゆきます。傷口からあふれ出す白い膿は、こうして細菌との闘いを終えた好中球の死骸なのです。

白血球のなかで最も大柄なのが、単球と呼ばれる兵士たちです。単球は血管からリンパ管に入り、リンパ節に移行すると、マクロファージと呼ばれる不定形の細胞に変身し、好中球の10倍以上といわれる強力な食作用を発揮します。

マクロファージ1人で好中球10人分の働きをするというだけでなく、好中球の手に負えないよろい鉄の鎧を着こんだような外敵でも、鎧もろともこなごなに噛み砕いてしまいます。あとでお話しするように、マクロファージのこの食作用はガン細胞に対する攻撃でも重要な役割を果たします。

好中球が歩兵なら、マクロファージは槍を持った騎兵ほどの破壊力がありますが、決まった外敵だけに狙いを定めて攻撃を仕掛けるのでなく、外敵と見れば誰彼となく出会いがしらに闘いを挑む点では好中球と同じです。マクロファージによるこうした防御システムは「非特異的免疫」と呼ばれます。これに対して、決まった外敵だけを特異的に攻撃する防御システムも、います。
この国には備わっています。この「特異的免疫」の主役がリンパ球です。

きのこ

ガン細胞を攻撃 潜在ガンの間に免疫システムを賦活する

ガン細胞を攻撃 潜在ガンの間に免疫システムを賦活します。きのこなどのフリーラジカル消去作用をもってしても追いつかないほど、多量のフリーラジカルが(喫煙などの悪しき習慣によって)体内で発生すれば、正常細胞のガン化が起こります。

ガン細胞を攻撃

ガン細胞を攻撃
ガン細胞を攻撃

ガン細胞が体内にできたあとでは、フリーラジカル消去とは別の予防法を講じなくてはなりません。すなわち私たちの体にもともと備わっている免疫システムを賦活して、ガン細胞の増殖を抑えこむことが必要です。

免疫システムの主戟力となるのは白血球の仲間であるリンパ球ですが、ガン細胞は強敵で、リンパ球が100個ぐらい束になってやっとガン細胞を1個だけ破壊できるといわれます。

私たちの体内には常時、重さにして1也以上、数にして1兆個以上ものリンパ球が流れていますが、仮にそのリンパ球がいっせいにガン細胞を攻撃したとしても10億個のガン細胞を破壊するのがやっとなのです。

ガンが直径1 cm以上になり、10億個のガン細胞がさらに20億個、40億個、80億個と活発にふえつづけている場合には、免疫システムをいくら賦活するといっても、ガンを完全に退縮(消失)させることは非常にむずかしく、その増殖を阻止するのでさえ困難といわねばなりません。

生き残ったガン細胞は再び、しぶとく増殖を開始します。それをまたリンパ球が叩きます。ガン組織が完全に退縮するまでこの闘いが繰り返されるわけですが、闘いが長びいてリンパ球ひへいが疲弊してくると、免疫システムが著しく衰え、その隙に乗じてガンが一気に増殖し始めます。

実際、進行ガンの患者さんはこのような経過をたどることが多いのです。これに対して、ガンがまだ直径1 mm以下でしかない場合には、リンパ球たちも非常に闘いやすくなります。通常、直径1 cm以上のガンを「臨床ガン」と呼ぶのに対して、こうした診断や126治療の対象とならないガンを「潜在ガン」と呼んで区別することもありますが、1個のガン細胞が直径1 mmの潜在ガンになるまでには先ほどの推定計算によると、1年8ヶ月~5年もの猶予があります。

この間に免疫システムを十分に賦活することができれば、潜在ガンが臨床ガンに進展しないように増殖を阻止し、うまくいけば潜在ガンを完全退縮させることも可能と考えられるのです。もっとも、相手は潜在ガンですから、はたして私や皆さんのの体内に今現在そうした潜在ガンができているかどうか、できているとすれば1年8ヶ月~5年の猶予期間のどの段階にあるのかなど、検査で調べてもわかるものではありません。

したがって、大切なのは、時折思い出したようにではなく、毎日の習慣のなかで免疫システムを繰り返し賦活しつづけることです。ありがたいことに、きのこにはフリーラジカル消去作用のみならず、毎日食べるだけで免疫システムを賦活する効果も期待できるのです。

ガンの予防対策と増殖抑制作用を高める

1個の ガン細胞 臨床ガン になるには2.年半~7年半もかかる

1個の ガン細胞 臨床ガン になるには2.年半~7年半もかかります。もっと時間を要するケースもあります。ガン細胞が正常細胞と大きく異なるのは「自律性増殖」という性質を獲得している点にあります。。正常細胞がまわりの細胞との協調関係を保ちながら必要なだけ増殖して、秩序ある組織を形づくるのに対して、ガン細胞は自分勝手に、それも際限なく増殖しつづけます。

l個のガン細胞が1回分裂すれば2個にふえるだけですが、2回目にその2個が2個とも分裂すれば4個に、3回目にその4個が4個とも分裂すれば8個に、4回目には16個に、5回目には32個に…と分裂のたびに数が倍加していくのです。

ガン細胞 臨床ガン になるには2.年半~7年半もかかる

ガン細胞 臨床ガン になるには2.年半~7年半もかかる
ガン細胞 臨床ガン になるには2.年半~7年半もかかる

ガン細胞が1回の細胞分裂に要する時間は数日~数十日といわれますが、実際には数日ごとに倍加するわけではありません。

個々のガン細胞をガン組織につなぎとめる結合組織や毛細血管の発達が、細胞分裂のスピードよりゆるやかなため、1つのガン組織全体でみると、2倍の大きさに増殖するのに平均1~3ヶ月かかる、というのが専門家の見積もりです。

こうして最初の1個の細胞の発ガンから、直径1mmのまだ肉眼では見えない初期のガンができるまでには、およそ1年8ヶ月~5年を要します。これが、ガンの増殖の平均的なスピードと考えられています。

この1mのガンがさらに増殖して、肉眼でもとらえることができ、診断や治療の対象となる直径1cmのガンに成長するまでには、発ガンから2年半~7年半もの時間が流れているのです。

自律性増殖を続けるガン細胞の恐ろしさは、ここからです。直径1cmのガンは、数にしておよそ10億個くらいのガン細胞からなっています。1偶のガン細胞が5回分裂しても32個にふえるだけですが、10億個のガン細胞がいっせいに5回分裂を繰り返せば、320億個にふえてしまいます。

このようにふえると、ガン組織が周囲の正常組織にじわじわと入りこむ「浸潤」もみられるようになります。こうして直径1cmの早期ガンが、直径10cm、重さにして1kgもある巨大なガン組織に進展するまでには、早ければ10ヶ月、長くても2年しかかからない計算になるのです。

きのこ