めまい・耳鳴りを生姜の効果、効能で解消する

めまいも耳鳴りも、漢方医学では、耳の奥のほうに存在する内耳の中のリンパ液という水分が多くなっている状態だと考える。その結果、平衡感覚の調節がうまくいかずに、めまいやふらつきが起こる。

また、耳の中に余分な水分が多くなると、ちょうど水泳中に耳に水が入ったような状態になり、耳鳴りがしてくる。めまいや耳鳴りを改善するには、一刻も早く余分な水分を体外に排出して、内耳の血行をよくすること。生姜やシナモン、あずきなどの食べ物のほか、手浴や足浴なども効果的。

生姜には、内耳の血行をよくして、めまいや耳鳴りを防ぐ作用があるといわれている。アメリカのある大学で、被験者を回転椅子に座らせて6分間回すという実験をしたところ、めまい止めを投与したグループよりも、粉末生姜を与えたグループのほうが、回転に長く耐えられたという結果が出ている。

  • 生姜紅茶にシナモン(ニッキ)を入れて飲むと、めまいや耳鳴り、ふらつき、吐き気などに効く。生姜紅茶には利尿作用があり、シナモンには内耳も含めた脳の血行をよくする働きがある。1日最低3杯は飲むといい。
  • ゆであずきを食べる。体を温めるほか、あずきに含まれるサポニンには強力な利尿作用がある。あずき50グラムを3カップの水で柔らかくなるまで煮たら、黒糖適量で昧つけし、煮汁とあずきを一緒に食べる。
  • 足浴と手浴を1 日おきにする。足浴で下半身の血行をよくして排尿を促し、手浴で上半身、特に内耳も含めた脳の血行をよくする。

胃炎・胃潰瘍を生姜の効果、効能で解消する

胃や十二指腸の病気は、冷え性の人に多い代表的な病気。胃の調子が悪いときにみぞおちをさわってみると、ひんやりと冷たいことからもわかる。
普段から、腹巻きゃ使い捨てカイロ、入浴などでお腹を積極的に温めよう。生妻は体を温める作用のほか、胃腸の内壁の血液循環をよくして胃腸の働きを促し、消化吸収を高める働きがあることが知られている。また、胃潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を殺菌する効果も注目されている。日頃から生姜紅茶や生姜湯を積極的に飲むのはもちろん、胃腸病によく効く梅しょう番茶などもおすすめ。

  • 生姜紅茶 や生姜湯を1日3~6杯飲むほか、普段の食事に積極的に生姜を取り入れる
  • 体を温める効果が高く、下痢便秘吐き気など胃腸の不調にもよく効く梅しょう番茶を1日1~2杯飲む。
  • キャベツを積極的に食べる。生キャベツには、ビタミンU( キャベジン) という成分が豊富に含まれていて、胃の粘膜の血行をよくし、傷ついた組織を修復する。加熱するとビタミンU は破壊されてしまうので、生食か、それに近いとり方がいい。キャベツ100グラムをニンジン・リンゴジュースに加えて飲む生ジュースがおすすめ。ニンジン、リンゴ、キャベツを一緒にジューサーにかけて作る。
  • 胃炎や胃潰瘍の人は、42度くらいの少し熟めの風呂に入ると胃酸の分泌が減少して効果的。胃弱や胃下垂の人は、38~40度くらいのぬるめの風呂に入って胃液の分泌を促すといい。

生理痛・生理不順・更年期障害・子宮筋腫を生姜の効果、効能で解消する

冷え性の女性は、へそより上と下では体温が違い、下腹部が格段に冷たい。子宮や卵巣はへそより下にあるので、下腹部の冷えは、子宮や卵巣の血行が悪いことを意味する。
その結果、卵巣でつくられるエストロゲンヤプロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌が悪くなり、卵巣の働き自体も弱まる。また、子宮も同様の機能低下が見られるようになる。そのため、生理痛や生理不順、PMS(月経前症候群)、子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人病や、のぼせや息苦しさ、イライラや不安などの更年期障害が起こりやすくなる。

  • 毎日、生姜紅茶や生姜湯、梅しょう番茶を飲んで、体を温めておく。更年期障害からくるのぼせには、生姜紅茶に入れる黒糖の代わりに、ハッカ(シソ科) のアメを入れて1日3~4杯飲むと効果的。
  • 生理が近づくとイライラするなど、精神状態が不安定になるPMSには、心の安定をもたらすシソを使ったシソ入り生姜湯を。1日1~2杯飲むとよい。
  • 毎日、入浴後、下腹部に生姜湿布をする。腹巻きや使い捨てカイロなども活用し、下腹部や腰を温める。低温やけどに注意すること。
  • 濃い番茶に、すりつぶした黒ゴマ塩を小さじ1入れて、1日4 ~5杯飲む。生理痛に効果あり。生理の数日前から飲みはじめるといい。