どくだみで便秘を改善する

現代は、日本人女性の二人に一人は便秘だといわれていますが、便秘をした経験がある人にとって、これほどつらいものはないでしょう。

食べたものが栄養として吸収され、体にとって必要なくなったものが大腸の中を通っていくときに、普通以上に時間がかかるために、便を排出する回数が少なくなったり、固くなりすぎて排出するのが困難になる、これが便秘です。

便秘になる理由にはさまざまな事が考えられますが、少し紹介します。

  • 大腸の運動が弱いために、必要なくなったものがスムーズに送られない
  • 大腸のある部分が運動過剰になっているか、または緊張していて、必要なくなったものが移行しにくい
  • 必要なくなったものが直腸で停滞してしまい出にくいため、排便が起こらないことが習慣になっている

などがあります。

このほか、やわらかい物ばかり食べている人や運動不足の人にも便秘になる人が多く、一般的に男性より女性に多く見られます。女性に多いのは、トイレに行きたくなってもガマンする傾向にあるからです。

便秘が及ぼす怖い病気

たかが便秘、と案外軽く考えられがちですが、実は便秘をすることはとても恐ろしいことなのです。

便秘と下痢が交互に繰り返し起こるような場合には、慢性腸炎を引き起こすことがあり、これが長期にわたると潰瘍性大腸炎を引き起こす恐れがあります。そして、後には大腸ガンになる可能性もあるのです。

さらには、生活習慣病につながることもあります。排便時には力が入るものですが、これは血圧を急激に上昇させて、高血圧や心臓発作を引き起こします。長い間排便がなく、腸内に老廃物が蓄積停滞すると、有害なガスや菌が発生して、発ガン物質が形成される恐れもありますから、決して便秘をあなどってはいけません。

また、そこまで重い病気でなくても、頭痛や肩こり、お腹の張り、のぼせ、気分が沈むなど、生活に支障が出ることもあります。

このように、便秘は私たちの体にさまざまな害を及ぼすわけですが、どくだみを用いることで快便に近づくことが期待できます。乾燥させたどくだみを煎ってお茶にして飲むと、含まれている成分クエルシトリンの整腸作用によって、老廃物が詰まっていた腸が動き出し、固くなって溜まっていた便をやわらかくして、排出しやすくなります。同時に利尿作用も行われます。
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どくだみで生活習慣病を予防する

現代の日本人の死因のトップにもあげられる、ガン、脳血管疾患、心疾患ですが、こんにちのように高齢化社会になってくると、これらの疾患の対策は、ますます深刻な問題となります。医療機関にばかり頼らず、自分で自分の体に関心をもち、健康につとめたいものです。

高血圧、動脈硬化の予防にどくだみ

調査によると、血圧が高い人には血管の病気をもっている人が多く、その中でも一番多いのが、脳卒中だということです。血圧が高い人は、血圧が正常な人の10倍以上の高い確率で、脳卒中で倒れているといいます。また、心臓病のほうでも数字が高いそうです。こうしたことから、血圧が高い人はほかの病気にも注意しなければならないということがわかります。

そして、動脈硬化も高血圧が大きな原因となっています。高血圧があると動脈硬化が進行し、動脈硬化があると血圧が上がるという相関関係にあるのです。

生活習慣病の引き金となっている高血圧を予防するはたらきがあるのが、どくだみに含まれる、植物色素の基本物質であるフラボノイド系の成分です。乾燥させたどくだみには、クエルシトリンやイソクエルシトリン、ルチンが含まれています。これらのフラボノイド成分には、血管を拡張させたり、尿の排出を促したり、血液をサラサラにしたりする作用があることがわかっています。ルチンには特に毛細血管を強く丈夫にするはたらきがあるのです。

さらに、どくだみに含まれているカリウムが、利尿のほか血圧安定にも作用します。

このように、フラボノイド成分を含有しカリウムも加わったどくだみは、生活習慣病の予防にとても重要な役割を果たしているのです。

昔からある対策として、乾燥させたどくだみを煎じてお茶のように飲むと良いです。乾燥させると独特のにおいが消え、飲みやすくなります。殺菌作用は失われますが、利尿・緩下作用があります。

現在は、自分で煎じなくても「どくだみ茶」として市販されているので手軽に飲めます。
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どくだみが皮膚病の特効薬になる

どくだみは、民間薬としてとても重宝がられてきたもののひとつです。昔はおばあちゃんやお母さんに塗ってもらったり、飲ませてもらったことがある人もいるでしょう。

そんなどくだみは、野草として野山に自然に生えているだけでなく、薬品として薬局などで市販されてもいます。

どくだみがおできに効く

どくだみの効能として昔からよく知られているのが、なんといっても化膿性の皮膚疾患に効くことです。

皮膚の化膿には、皮膚の表面が化膿する場合と、毛のうや汗腺など皮膚の中に化膿が生じる場合があるのですが、化膿性の皮膚疾患の代表というと、「おでき」です。

どくだみがおできを治すのはなぜかというと、それは、どくだみが持つ殺菌作用によるものです。

おできをつくるブドウ球菌は、直径約1ミクロン(1000分の1ミリ)ほどの大きさで、文字どおりブドウ状の配列をしています。病原性のものは「黄色ブドウ球菌」と呼ばれ、血液を凝固させる酵素のコアグラーゼを出します。血液中の白血球には体内に侵入した細菌を殺す作用があるのですが、有害なコアグラーゼは白血球のこの作用を弱めてしまいます。ブドウ球菌は、コアグラーゼのほかにも毒素や酵素を出していて、さまざまな病気を引き起こす原因となっているのです。

また、ブドウ球菌が起こす症状としてよく知られているものには、夏の暑い時季に多い食中毒があります。

しかし、どくだみには、これらの病気を起こすブドウ球菌を殺し、体外へ追い出す強力な殺菌作用があります。やわらかくなるまで火で煎ったどくだみの葉を、患部に直接当て、ガーゼとばんそうこうでずれないように固定する方法があります。こうしておくと、数時間から数日で、どくだみが膿を吸い出してくれます。

どくだみがあせもに効く

首やわきの下、背中などに、粟粒くらいまでの大きさの水疱ができるのが「あせも」です。日本のように夏が高温多湿な土地に暮らす人に多いものです。

あせもは、汗口に近い皮膚の角層がふやけ発汗が妨げられると、汗管が破れて皮膚内に汗がたまり生じた症状です。

特に、乳幼児の場合は、あせもができやすい条件が揃っています。小さな子供は新陳代謝が旺盛で、上半身に汗をかきやすいのに、自分で衣服の調整ができず、体をぬぐうこともできません。そのため、汗の貯溜がはなはだしいのです。

対策として、まずは風通しをよくしてあげて、常に清潔を保つよう心がけましょう。衣服の着替えや入浴をさせることで体の清潔を保ち、汗が出やすい状態においてあげるのが何よりです。

こうしたあせもの処置にも、どくだみが効果的です。生のどくだみの葉をすりつぶし、ガーゼなどに塗ってあせもの上に当てる方法があります。
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