高齢化にマッチした緑茶

ふだんの食事が「茶飯事」だから日本人の長寿がかなった

現在、日本は世界一の長寿国です。その背景には、医療技術の進歩や豊かな経済、安全な社会、温暖な気候といったさまざまな要因がありますが、それらとともにはずせないのが、食文化・食生活です。
緑茶こそが高齢化・情報化時代のニーズ「日常茶飯事」という言葉があります。
辞書によれば、「ふだんの食事。転じて、ごく普通のありふれたこと」というような意味です。日本人にとって、ごく普通のありふれた、ふだんの食事が茶と飯である、と。
そう解釈していいですよね。いや、もちろんおかずもいろいろあっていいんだけれど、主食の米の飯と、食前食後の続茶は、どんなありふれたふだんの食事にも欠かせないもので、つまり食文化・食生活の基本だと、そういう意味に取れます。
そしてまさにその飯と茶こそが、世界に冠たる長寿の源だと思うんですよ。米飯を主食にして組み立てられた、いわゆる日本型食生活が、非常に栄養バランスの取れた健康的な食の形であるということは、だいぶ前から世界的に認められてきています。ここに来て、「ふだんの食事」のもうひとつの柱である緑茶の素晴らしさも、次々に科学的に証明されるようになってきたんですね。

緑茶のカテキン、カフェイン、ビタミンCが老化を防ぐ

お茶の成分の中で、最近、特に注目されているのがカテキンで、私自身はそのさまざまな働きの中でも、抗酸化作用にもっとも関心があります。人間の体の老化というのは、要するに細胞の酸化が進むということで、カテキンにはそれを防いでくれる働きがあるわけです。
カテキン以外の成分ではカフェインにも注目したい。大脳を興奮させて精神活動を活発にし、記憶力や集中力、判断能力などを高めてくれる作用をもっています。
言ってみれば、こちらは頭脳の若さを保つために必要な成分です。さらにビタミンCも忘れてはならないでしょう。
カテキンやカフェインは、緑茶に限らず、紅茶やウ一口ン茶にも含まれていますが、ビタミンC をたっぷり含んでいるのは、緑茶だけです。このビタミンCは、血管や粘膜や皮膚の若さ、健康を保つのに欠かせません。その成分について知れば知るほど、緑茶は不老長寿の妙薬、と思えてきます。

戦国武将の茶の湯

実は、そのことを実証した人たちがいました。それも、お茶の成分など何もわからなかった数百年も前の話です。いったいどこの誰が? とお思いでしょうか。答は戦国時代の大名や武将たち。当時の日本人の平均寿命は、35歳からせいぜい40歳に満たない程度でした。もちろん乳幼児の死亡率が高かったことなどもありますが、それにしても「人生五十年」という言葉が、文字通りに通用する時代でした。そんな中で、70歳台はおろか、80歳、90歳を越えてもなお元気で活躍した大名や武将が、数多くいるのです。有名なところでは、徳川家康が亡くなったのは75歳ですし、北条早雲、幻庵の親子は、それぞれ8歳、97歳まで生きています。武将以外で、僧侶や茶人にも長命の人は多いのですが、彼らの共通点が何かというと、いずれも茶の湯をたしなんでいたんでいたことです。
喫茶の習慣が庶民にまで普及したのは江戸時代のことです。それ以前のお茶は、限られた人々のものだったことを考え合わせると、平均寿命から突出した長命を生きた武将たちの長生きの秘密が、お茶にあったのではないか、という推理も成り立ちます。

ストレスが多い現代はお茶をたくさん飲む

武将たちは、非常にストレスの多い戦乱の世を生き抜いたわけですが、現代の我々も、質こそ違え、戦国時代に劣らぬストレスにさらされながら毎日を暮らしています。
これからは、さらに高齢化が進み、同時に情報化も著しい時代となるでしょう。ストレスは、さらに加算される可能性があります。そんな中、頭も体も元気で若々しくいるために、そして記憶力や集中力を高めてストレスに勝ってこの時代を生き抜くために、緑茶は最適の飲み物といえるでしょう。
煎茶、焙じ茶、自分で作った粉茶と、3種類合わせて1日に15~16杯ほどにもなるでしょうか。私の元気の秘密も、戦国武将と同じく緑茶に在り、です。

緑茶の効能には驚かされるばかりです。

緑茶を実際に飲んで 緑茶のおかげで成人病になったことがない

緑茶を常に飲んでいる

緑茶は、物心がついた頃から飲んでいます。お酒は一切飲みません。コーヒーや紅茶は飲みますが、断然緑茶のほうが飲む量は多いですね。緑茶の効能について、いままでは特別意識して飲んでいたわけではないのですが、会社員の頃も、最近も健康診断で、成人病といわれる高血圧、動脈硬化、糖尿病などでひつかかったことはありませんから、これも緑茶のおかげかなと思います。
1日に飲む量も多いですよ。朝から晩まで、家にいる時はひつきりなしという感じですね。台所にはお茶盆があって、茶筒、急須と湯のみが置いてあります。沸騰ポットには、お湯がなくならないように、しょっちゅう水を足しています。うちでは、井戸水でお茶を飲んでいるんです。1日に数リットル、湯のみを洗う間がないくらい、よく飲みます。

外出から帰った時、たとえ外で食事を済ませていても、お茶を飲みたくなります。家に帰って、ほっと落ち着くのは、やはりおいしいお茶を飲むからではないでしょうか。緑茶成分の効能と緑茶特有の色と香りは、不思議な安心感を与えてくれると思います。
私は濃いめに入れたお茶が好きですね。しっかりしたお茶の味わいと香り、それにきれいな自然の緑色がいいんですよ。お茶の葉もよく取り替えます。
味も香りもないようなお茶だったら、飲まないほうがいいですから。子供の頃、能州本県の天草に住んでいたんですが、私の祖母はお茶を作っていました。農家ではなかったんですが、茶の木の生葉を買いまして、自分で葉を摘んで蒸して手挟みしていたんです。自分の家の1年分のお茶を、祖母は自分で作りいいお茶でした。ですから小さい頃から、葉をふんだんに使ってお茶を飲んでいたんです。そういえば、私の直系にがんで死んだ者がいないのも、緑茶をたくさん飲む家だったからかもしれませんね。亡くなった父も91歳と長生きでしたし、母も8歳と高齢ですが健在ですから、長生きの家系だと思います。

私の子供たちも緑茶が好きで、よく飲んでいます。親が好んでいたせいか、小さい噴からジュース類よりもお茶を好んで飲んでいましたし、お茶の葉をかじって食べていたこともありました。もちろん、私と同じようにお茶の味と香りにはうるさいです。最近ではいろいろな効能を考えた料理やふりかけなど、緑茶をまるごと使うものが増えてきましたが、それらを試すことにも子供たちは違和感を感じないようです。

緑茶を実際に飲んで 高齢になっても健康でいられるのは緑茶のおかげ

濃い目に入れてたっぷり飲む

うちは緑茶の生産直売をしているので、お茶は1年中豊富にあります。そのためもありますが、煎茶は濃い目に入れて暇なく飲んでいます。お茶はしっかりした味わいのあるものが好きです。
お茶の農家では、朝食の時、畑に出てから午前10頃に「ちゃのこ」といわれるお菓子を食べながらお茶を飲む休憩の時間、昼食の時、そして午後3時のちゃのこ、畑から帰って夕食の時と、毎回たっぷりと葉を入れた濃い目のお茶を飲みます。
これは、お茶の農家ではごく当たり前に行われていることなんですよ。私も85歳までは畑に出ていましたから、畑仕事をしながらお茶はふんだんに飲んでいましたね。畑には出なくなりましたが、洗濯物の片付けをしたり、時々畑の草取りをしています。畑での「ちゃのこ」はありませんけど、いまもお茶を飲むことは、ごく当たり前にしていますし、濃い目に入れて飲んでいます。回数とか意識したことはありませんけど、朝から晩までお茶は飲んでいます。

中川根町は胃がんの発生が全国で一番少ない

中川根のお茶は、飲んだ時の後味がすっきりしていて爽やかな香りが残る、素直なお茶です。
入れたお茶の色は薄めの緑色をしています。この辺は、南部の平地でとれるお茶と違い、山の中のお茶になるんです。山の中で育つお茶の葉は、肉薄で、繊細な葉です。霧が多いので、直射日光が葉にあまり当たらないからです。
中川根町の繊細なお茶は、品評会でも高い評価を受けています。高級煎茶の茶所なんです。
緑茶には、がんを防ぐ効果があるとかで、この中川根町は、胃がんの発生が全国で一番少ないという話です。私も91歳ですけど、どこも悪いところはありませんし元気です。

若い頃から病気らしい病気はしたことがありません。生産農家の仕事だけでなく、材木を運んだり、商人宿もしていましたから、ほんとうによく動いていました。
そんな忙しい中、子供を6人生んで育てました。よく働いて、よくお茶を飲んで、これまで健康でこれたのも緑茶の力かもしれません。確かにこの辺は、緑茶の生産農家がたくさんあって、緑茶の里といわれています。
どこの家でも家用のお茶はたくさんあって、濃い目のおいしいお茶を飲んでいますね。長生きの方も多いんですよ。

緑茶にはいろいろな効能があるっていわれていますけど、うちでは昔から飲むこと以外にも緑茶は使われてきました。例えば「ものもらい」が目にできたらさましたお茶で目を洗うと治るとか、手にかゆい「できもの」ができたらお茶で手を洗うと治るという、薬としての使い方です。
「殺菌効果がある」って聞きましたが、そのせいなんでしょうか。昔からうちではこの方法で治したものです。これも、お茶が豊富に手に入る土地ならではでしょうね。お茶が体にいいなんて昔の人の知恵だと思っていたんですけど、ちゃんとした理由があったんですね。