お茶に含まれるカテキンとはどんな成分ですか?お茶以外にもカテキンを摂取できる食品はありますか
お茶に含まれる茶カテキンはお茶の渋み成分で一般にはタンニンとも呼ばれます。茶カテキンはお茶に最も多く含まれる成分で、約15%。厳密には分子構造の違う4種のカテキン(エビカテキン、エビガロカテキン、そのそれぞれにガレート基がついたエビカテキンガレート、エビガロカテキンガレート) を総称したもので、茶カテキンのなかではエビガロカテキンガレートの割合が最も高く約半分を占めています。紅茶の場合は発酵過程でカテキンが酸化し、テアフラビンなどの赤色タンニンに変化します。
最近、注目されているお茶の効能、ガンの予防やコレステロール値、糖尿値のコントロール、抗酸化や抗菌作用などは、いずれもこのカテキンのもつ働きに多く関係しています。
緑茶、ウーロン茶、紅茶などと含まれる成分は異なるのでしょうか?
緑茶が紅茶やウ一口ン茶などの発酵茶、半発酵茶との最も大きな違いは、ビタミンCを含んでいることでしょう。緑茶100g中には、約25mgのビタミンC が含まれています。抽出液でみると、1煎日のお茶100っc中に約4mgのビタミンC が溶け出します。発酵茶、半発酵茶では、発酵段階でビタミンCはほとんど破壊されてしまいます。もうひとつの特徴は、発酵しないのでカテキンが未酸化であるということ。カテキンの構造によって、効能にどれぐらい違いがあるのかについては、現在、さまざまな角度から研究中です。
緑茶にはカフェインが含まれていますが子供に飲ませても大丈夫ですか?
お茶の場合は、カフェインがカテキンと結合すること、テアニンという興奮作用を抑制する成分が含まれることから、カフェインの作用が穏やかであると言えます。カフェインの作用については個人差があるのであるので、いちがいにはいえません。お茶の産地として名高い川根町では生後6ヶ月ぐらいから、薄めた緑茶を飲ませる習慣もあります。あまり濃いお茶は避け、ほうじ茶などカフェインの少ないお茶を飲むことをお進めします。
1日どのくらい飲めば効果が期待できますか?
茶カテキンは、普通に入れたお茶1杯(100っc)中に約0.1g含まれます。缶入りの緑茶の場合にはやや薄めで、1缶350g中、約0.15~0.17gです。1日のカテキンの摂取量の目安は約1g。したがって10杯程度の量が目安です。10杯と言うと多く感じられるかもしれませんが、お寿司屋さんでみかけるような大きめの湯飲みなら6~7 杯ぐらい。
これですと、食事中と食後に1杯ずつ、お茶の時間に1~2杯です。
時間をかけてゆっくり入れた濃い目の玉露や抹茶を飲んだり、粉茶を料理やお菓子に利用するなど、いろいろな楽しみ方があります。
人間は1日に2リットルの永分を摂取すると言いますから、その半分ぐらいをお茶で摂取するぐらいの気持ちで十分なカテキンが摂取できます。
保存方法
お茶は空気に触れると酸化しやすくなります。カテキンやビタミンCなどの成分も酸化し、香りも悪くなります。玉露や煎茶などの高級茶ほどこの傾向が強くなります。密封した容器に入れて、冷蔵庫で保管しましょう。開封後は2週間ぐらいで使い切るのが理想ですが、少なくとも1カ月ぐらいで使い切ってしまいましょう。パック詰めのお茶は、空気を抜いて真空包装か窒素充填されていますので、封を切らなければ長期間の保存が可能です。新茶の出回る時期にまとめ買いをする場合は、冷凍庫で保存するといいでしょう。