冷え性は女性だけでなく国民病になりつつある

平熱35度台が急増

「私は冷え性だ」「いつも手足が冷える」などという人は非常に多いが、そもそも西洋医学には「冷え」や「冷え性」という概念はない。
自分の体が冷えているのか、そうでないのかを、客観的に判断するには、体温を測定してみるのが一番わかりやすい。現在、36.8度の体温が平熱だという人はほとんどいないのではないだろうか?

ほとんどの人が35度台で、ひどい人になると34度台しかない。私たちの体は本来、36.5度~37度の体温で、最もよく働くようにできている。
つまり、それより低い体温では、体の機能が低下し、さまざまな病気が発生しやすくなるということ。
実際、体温が1度下がると、代謝は約12%、免疫力は約30% 以上も低下するといわれている。35.5度の体温が恒常的に続くと、排泄機能が低下したり、自律神経失調症状ヤアレルギー症状が出やすくなる。

35度の体温では、がん細胞が最も増殖するし、34度は、水に溺れて救出された人の命が助かるかどうかの瀬戸際の体温。また、気温や体温が下がる冬には、風邪や肺炎、脳梗塞や心筋梗塞、高血圧などの疾患が増えるだけでなく、ほとんどの病気で死亡率が高くなる。
1日の中で気温や体温が最も低くなる午前3~5時の時間帯には、死亡する人や発作を起こす人が多くなることもわかっている。健康な人でも、体温が低い起床時から1~2時間は体が重かったり、気分がすぐれなかったりして何となく調子が出ないものだ。その後、体温の上昇にともなってだんだん調子がよくなり、体温が一番高くなる午後2~5時頃が最も活動的になる。

このように、体温は人間の健康や生命にとって極めて重要。その体温が低下しているということは、由々しき問題といえるだろう。
しかも、この低体温化傾向は、若い人にかぎったことではない。さまざまな年齢の患者さんの体温を計っても、総じて低体温であることがわかってきた。ひと昔前までは、「冷え」というと若い女性の専売特許だったが、いまや、老いも若きも、男も女も、日本中がみんな冷えている。

意外にも冬より夏のほうが冷えている

四季の移り変わりのある日本に住む私たちにとって、「体が冷える」といえば、かつては当たり前のように「冬」の現象だった。
ところが、いまの時代はどうだろう?いまや、あらゆるところにエアコンが備えられている。真夏でも、建物や乗り物の中は決して暑くない。それどころか、エアコンが効きすぎて寒い場合さえある。暑くならず、体温も上昇していないのに、薄着をして、冷たい飲み物や体を冷やす食べ物をたくさん食べていれば、当然体が冷える。汗もかかないので、体にたまった水分を排出できず、これがまた、体内を冷やす要因になる。
また、肌は乾燥気味で荒れてくすんでいるという人は冷えている証拠です。
こうして「夏こそ体が冷える」という、かつてない現象が定着してしまった。

エアコンの普及には、さらなる功罪もある。屋外と室内の温度差があまりにも大きいため、体温を調整する自律神経に多大な負担がかかる。自律神経のバランスが崩れると、疲れがとれない、熟睡できない、食欲がわかない、肩がこる、そして手足が冷えるなどの不定愁訴が現れる。

血管を収縮・拡張させて体温を調節している自律神経が乱れると、血液の循環が悪くなり、さらなる冷えを感じるようになる。血液循環だけでなく、ホルモン系統や消化器系統にも不調が現れ、病気を招きやすくなるということもいえる。

暑がりの人も注意する

「私は暑がりだから大丈夫! 」と思っている人も注意が必要。冷え症イコール寒がりとはかぎらない。自覚症状はなくても、冷えているというケースが結構ある。
例えば手足が温かくても、お腹をさわると冷たいという場合は冷え症である。漢方医学では「お腹」のことを「お中」といい、体の中心と考える。
中心が冷たい人は、手足の熱さは表面だけのもので、内部は冷えていることが多い。また、汗かきの人も冷え症といえる。汗が多いということは、体内に水分が多いからである。
ハードな運動をしたわけでもないのに、ちょっと動いただけで汗をかくとか、食事をするだけで汗が出るというのは、代謝がいいのではなく、体内の余分な水分を捨てて体を温めようとする反応。
極度の緊張を感じると出る冷や汗も同様で、水分を捨てて体を温めることで、ストレスに対抗しようとしている。むくみが出やすい人も体内の水分が多いといっていい。後で詳しく説明するが、水が多いと体は冷える。夏は外が暑いので、自分の体が本当は冷えているということに気づきにくいが、そのままにしておくと、冷えはますます進行してしまう。
体の不調が気になる人は、まず、冷えを疑ってみることだ。

現代人に喜ばれる「生姜」

生姜入り商品が続々登場し注目を集める

そばや冷や奴などの薬味として使われることが多く、これまでは脇役のイメージしかなかった生姜。しかし最近は、主役の座に躍り出つつある。
ビリッと刺激的な辛味や、体がポカポカと温まる効能、効果が注目され、生姜入りを謳った商品が続々と登場し、特に「冷え」が気になる女性たちの熱い支持を集めているのだ。

マヨラーからジンジャラー

数年前から、どんな食べ物にでもマヨネーズをかけないと気がすまない「マヨラー」と呼ばれる人たちが話題になっている。
それが最近では、この生姜版である「ジンジャラー」が出現しているそうだ。
若い女性に多いようだが、常にチューブ入りの生姜を持ち歩き、飲み物からお昼のお弁当、みそ汁、ラーメン、パスタなど、何にでも入れて生姜味にしてしまう人が急増しているという。
最初は紅茶に入れて飲み始めたのがきっかけ。ビリッとした生姜の味がクセになり、いまでは何にでも入れます。和風、洋風、中華風、あらゆる食べ物や飲み物に合うし、おいしくなるんです。という人が急増。
オフィスに置き生姜をして、緑茶や紅茶、買ってきたペットボトル入り飲料にも入れてる人も増えている。たちまち体がポカポカしてきて、冬でもうっすら汗が出ます。続けているうちに冷え性も治ってしまう人も増えているという。

生姜ブームの陰に「冷え」がある

ひとつの食材だけを大量に食べ続けることは、推奨できることではないが、生姜はもともと「薬味」。
食べ物や飲み物に頻繁に入れたところで、摂取する量はたかが知れている。また、カロリーも少ない(生姜10グラムをすりおろしたものが約2キロカロリー)。マヨラーのマヨネーズよりずっとヘルシーだし、後述するが、冷え対策やダイエット、風邪をはじめとする病気予防などにもかなりの効果が期待できる。生姜をこよなく愛するジンジャラーが急増しているというのもうなずけます。
例えば手足が温かくても、お腹をさわると冷たいという場合は冷え症である。漢方医学では「お腹」のことを「お中」といい、体の中心と考える。中心が冷たい人は、手足の熱さは表面だけのもので、内部は冷えていることが多い。
また、汗かきの人も冷え症といえる。汗が多いということは、体内に水分が多いからである。ハードな運動をしたわけでもないのに、ちょっと動いただけで汗をかくとか、食事をするだけで汗が出るというのは、代謝がいいのではなく、体内の余分な水分を捨てて体を温めようとする反応。極度の緊張を感じると出る冷や汗も同様で、水分を捨てて体を温めることで、ストレスに対抗しようとしている。
むくみが出やすい人も体内の水分が多いといっていい。基本的に水が多いと体は冷える。夏は外が暑いので、自分の体が本当は冷えているということに気づきにくいが、そのままにしておくと、冷えはますます進行してしまう。体の不調が気になる人は、まず、冷えを疑ってみることだ。

自分の肌のタイプを知る

ぁなたの肌は、ほんとうにあなた自身が考えている通りの肌質なのでしようか。自己流の判断が間違っているケースが案外多いもの。肌黄をきちんとわかっていなければ、効果的なケアはできませんよ。

「オイリー肌」「ドライ肌」ということばだけで肌質を表現するのは間違い

「あなたの肌質は? 」と聞かれたらどう答えますか。たいていの人は「私はオイリー」とか「ドライ肌なの」と答えることでしょう。
しかし、よく考えてみると、オイリーとは皮脂の分泌が活発なこと。皮脂の分泌は、その人の肌の生理で決まる問題です。
一方、乾燥とは、そのときの肌表面の水分の保有状態をさすことば。つまり、オイリーという「肌の形態」をあらわすことばと、ドライという「肌の状態」をあらわすことばを、肌質のタイプ分けに使ってしまうと厳密にいえば、矛盾が生じてしまうのです。たとえば、肌を器械で測定してみると、オイリー肌でもドライ肌の人がいるし、オイリー肌で肌の水分量も多いという人がいるのです。
肌質を正しくいうためには、肌の皮脂の分泌状態と、水分の保有状態のをチェックする必要があります。「脂分は多いけど、水分は不足ぎみ」とか「脂分も不足ぎみ」というのが、肌質の正し表現方法です。
オイリー肌、ドライ肌というだけでは、肌質を完全に表現できず、正しいスキンケアを行うには、情報不足なわけです。
肌質をTソーンだけで判断しないことせっけん洗顔したあと15分くらいそのままにしておきます。つっぱり感がすぐなくなる人は十分脂分がある人、なにもつけないとつっぱったままの人は脂分不足。その他、ファンデーションをつけたときに、化粧くずれの早い人は脂分過剰、粉をふいたようになるのは水分不足ということがわかります。鏡でじっくり自分の肌の状態を見たり、じかに手で顔をさわってみることもチェックの方法のひとつ。
肌のそのときどきの状態をこまめに正しくチェックすることにより、どうお手入れをすればよいかわかります。さらに、よくチェックすると気づくことですが、肌のそれぞれの部位によってずい分状態か違うはずです。
たとえば、目のまわりはカサついているけど、Tゾーンは脂っばいといったぐあい。これは、肌の構造の違いによるもの。なんでも「乾燥」のひと言ですませてしまいがちですが、肌の部位によって現れる症状が違います。ほおは弾力がありますが、水分量が少ないため肌がカサつきやすく、
一方、月のまわりは角質層が蒔く、肌の表面の水分が失われやすいため乾燥しがちです。同時に、目元は肌の弾力がないため小ジワになりやすくなっています。このように肌は、その部位によって角質層の厚さ、皮脂の分泌量が違うので、ひとつの肌質でこうだと思いこんでしまうのは危険なのです。

水分と脂分のバランスで肌質は決まる

自分の肌質チェックに自信がないという人は一度、左の表の水分と脂分のバランスチェックをしてみると、客観的に判断できるかもしれません。
自分の肌質を正しく知ることができたら、その肌質に合った手入れが大切です。間違った手入れをしていると、5年後、10年後にメイクではカバーできないほどのトラブルをひきおこします。たとえば、脂っばい肌に油分をあたえすぎるとニキビだけでなく、ひどくなると皮膚炎や吹き出ものまで発生します。また、小鼻のわきなどに過剰の脂分が白くかたまることも。そんな状態を乾と勘違いしている人はいませんか?逆に乾燥が続くと肌あれ、小じわの原因になります。化粧水、乳液と肌質にあったものを選びます。
オイリー肌で乳液はちょっと…という人もさらっとしたオイルフリータイプ選べば問題ありません。
水分と脂分のバランスは、ちょっとした気温の変化、体調、天候によってもくずれます。毎日毎日状態が違うといっても過言ではありません。こまめに鏡をのぞいて、チェックを。