日本における死因の第一位はガンで、ガンによる死亡率の増加は、深刻な社問題になりました。死亡者は特に働き盛りの中高年に多く、年齢が若いがゆえに病気の進行が速いという特徴があります。主な原因としては、遺伝子を傷つける発ガン性物質やウイルス、放射線などが挙げられます。
ガン対策としては、早期の発見と治療が大切です。面倒だと思う人もいるでしょうが、40歳を過ぎたら、きちんと定期検診を受けたいものです。
ガンの予防には、禁煙や菜食といわれるようにガンと食事の関係が研究されて、食生活を改善することが重要だと注目されています。特に、抗酸化作用のあるベータカロテン、セレニウム(セレン)が不足するとガンの発生率が高いことがわかっているので、こういった栄養素を摂取することもガンの予防につながると考えられています。
疫学の研究からは、胃ガン、肺ガン、大腸ガンなどの予防に緑黄色野菜が大きく作用していることも示されていて、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEといった栄養素の抗酸化作用が特に評価されています。
ガンの予防に効果的な成分として、大豆に多く含まれているフラボノイドをはじめ、お茶に含まれるカテキン、にんじんなどベータカロテンのテルペン類、ごまのセサミノール、そして、にんにくやたまねぎに多い硫化化合物などがあります。
にんにくの制ガン作用
ガンに対してのにんにくの効果について、世界の研究者たちによって見解が発表されています。にんにくの有効成分は、ガンの予防に次のように働きます。
- ゲルマニウムによる制ガン作用にんにくに含まれている有効成分のゲルマニウムには、それ自体に制ガン作用があり、含有量の多さではサルノコシカケに続きます。ゲルマニウムは私たちの臓器に酵素を供給し、それと反応して細胞を活性化させ、疲労を回復してくれる物質です。自然治癒力を高める効果もあり、ガン予防の改善につながります。
- 硫黄化合物の力にんにくをすりおろした時などに発生する強いにおいの元となっている硫黄化合物には、ガンの発生や増殖を予防する作用があります。また、発ガン物質を体外に排出し、解毒作用を促進します。
- 前ガン病変を抑制硫黄化合物の中でも注目されるのがSMC(S-メチルシステイン)という物質。ある大学の研究グループの動物実験では、SMCの投与により肝臓ガンや大腸ガンの前ガン病変(ガンになる確率の高い、組織の異形成)を抑制できることがわかっています。
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