「冷え性」を生姜の効果、効能で解消する

西洋医学には「冷え性」という診断名はないが、漢方医学では冷えこそが万病の下地をつくつていると考える。さまざまな痛みやこりの原因になったり、風邪や気管支炎、勝胱炎など、ウイルス性の病気を引き起こしたりする。
今は目立った不調や症状がない人でも、冷えが原因であらゆる病気を招く危険性があることを知っておこう。女性には特に冷え性に悩む人が多く、夏でも手足が冷たい人や、冬になると体が冷えてなかなか眠れないという人も少なくない。冷え性の人は、毎日の食生活にできるだけ生妻をとり入れて、少しずつ体質改善していくことを心がけよう。

  • 体を温めて冷えをとる生姜紅茶や生姜湯を、1日3~6杯飲むのはもちろん、普段の食事にも、できるだけ生姜をとり入れる。
  • 塩やみそ、しようゆ、タラコやメンタイコ、根菜類、黒っぼい色の食べ物など、体を温める陽性食品をなるべく多く食べるようにする。
  • 生姜入りのネギのみそ汁を飲む。みそ汁に細かく刻んだネギをたくさん入れ、椀に注いでから、すりおろした生姜少々を加える。
  • 入浴はシャワーですませず、湯船に入ってしっかりと温まることを習慣にする。生姜風呂や、ひとつかみの租塩を湯船に入れた塩風呂にすると、温熱効果が抜群で大量の発汗を促す。半身浴が特におすすめ。
  • アルコールが好きな人なら、就寝前に生姜入りの日本酒を。生姜10gは細かく刻むかすりおろし(繊維が残るのが嫌なら、こして絞り汁をとり)、熟爛にした日本酒1合(180CC) に入れる。好みで黒糖かハチミツを加える。飲みすぎないよう、適量を守ることも大切。

「肩こり」を生姜の効果、効能で解消する

肩こりは、首から肩にかけての筋肉の血行不良が主な原因。生姜の温め効果で、冷えを撃退すればいい。生姜紅茶や生姜湿布、生姜風呂などを毎日の生活にとり入れ、全身の血行をよくして体全体を温めることで改善できる。
薄着や冷房、水分の摂りすぎなどで体を冷やさないよう心がけることも大切だ。また、運動不足や肩・腕・背中などの筋肉の衰えなどによっても起こるので、アイソメトリック運動などで日頃から鍛えておきたい。

  • 生姜酢ハチミツドリンクを1日1~杯飲む。生姜約20グラムを薄切りにして、酢を1カップ、ハチミツ大さじ2とともに保存容器などに入れ、2 ~3時間以上おく。この10分のl程度の量を生リンゴジュースコップ1杯に加えて、よくかき混ぜる。ハチミツのビタミンやミネラル、酢のクエン酸などが、体内の疲労物質を分解して、こりをやわらげてくれる。
  • 肩に生姜湿布をすると、その部分の血行がよくなり、肩こりが改善する。入浴後に行うと、特に効果的。
  • 手の温冷浴を行う。洗面器に42度くらいのお湯を入れ、手首より先を3分間ほどつけて温める。次に冷水に10秒つける。これを5回線り返す。
  • どこでも簡単に、短時間でできる肩や腕のアイソメトリック運動も効果的。指を胸の前でかぎ型に組み、力を入れて両側に引いて7秒間キープ。指をそのまま頭の後ろにして、同様に両側に引いて7秒間キープ。これを5~10回線り返す。

「頭痛、腹痛、腰痛」などの痛みを生姜の効果、効能で解消する

雨の日や寒い日、冷房が効いた室内では、頭痛や腰痛、腹痛などの痛みが起きたり、悪化しやすくなったりする。これは、痛みは「冷え」と「水」が原因で起こるから。
体を温めて冷えをとり、体内にたまった余分な水分を追い出す生妾のパワーは、痛みの改善にも発揮される。生姜には、鎮痛・消炎作用があることもわかっている。痛み全般には、生姜紅茶やネギ入り生姜湯を1日3~6杯飲むといい。生姜風呂や半身浴などで体を温めるのも効果的。患部に生姜湿布をするのも効果的。頭痛についてはこちら。

  • 頭痛
    頭痛に特に効果的なのは、生姜湯に葛粉を入れたものを1日1~3杯飲む方法。上半身の血行をよくして発汗を促し、頭痛を改善する。生姜湯は、湯飲み茶碗に生姜10グラムをすりおろして絞り(絞らずそのまま入れてもOK)、熱湯を加え、黒糖適量を入れて作る。これに葛粉3グラムを加える。
  • 腰痛
    腰痛にに特に効果的なのは、唐辛子生姜湿布。赤唐辛子1本をコップ半分の水で煎じ、すりおろした生姜約150グラムとともにすり鉢に入れて、小麦粉を少しずつ加えながら適度なかたさに練る。これをタオルの上などにのばして、腰に貼る。唐辛子の血管拡張効果と保温効果で痛みがやわらぐ(ただし、ビリビリした刺激を強く感じたら、生姜や唐辛子の量を減らしたり、使用を中止したほうがいい)。
  • 腹痛
    腹痛に特に効果的なのは、租塩袋。租塩適量をフライパンでサラサラになるまで妙り、布袋に入れ、へその上に置いて30分くらい温める。陽性食品のしょうゆと番茶で作るしょうゆ番茶も、胃腸を温める作用がある。湯飲み茶碗に小さじ1~2杯のしょうゆを入れ、熱い番茶を注ぐだけでできる。