ストレス 労働 と人間関係が生むストレスは甚大です。多くの企業は生産性の向上という視点がしい強調され、そこに働く人の個人的な窓意が入り込む余地などないのが実情です。そんな環境に置かれた人は、自分を主張する場所も時間も与えられず、会社の歯車として消耗していくぼかりです。
ストレス 労働 家庭内の「ストレスの連鎖」を断つために
本来職場とは、そこに働く人やその家族の健やかな暮らしを維持するための場所であるとともに、自分の人格をさらなる高みへと育み、働くことの喜びを見出す場としてあるべきです。
ところが今の多くの企業は生産性の向上という視点がしい強調され、そこに働く人の個人的な窓意が入り込む余地などないのが実情です。そんな環境に置かれた人は、自分を主張する場所も時間も与えられず、会社の歯車として消耗していくぼかりです。
それと同時に、猛スピードで変化を続ける社会状況に足並みをそろえるべく、働く人々の労働時間は拡大され、それまで培われてきた人間関係までをも破壊します。こうした労働時間の拡大と、希薄になつた人間関係の狭間にあって、人々は孤立し大きなストレスを抱え込むことになるのです。
そしてその個人的なストレスは病気ばかりでなく、ときとして家庭崩壊を引き起こす「負の連鎖」へと発展する場合も少なくありません。
たとえばご主人が40代の働き盛りのエリートで、肩書きも課長、課長補佐という中間管理職という状況に、そのようなケースを多く見ることができます。
朝早く出勤して夜帰宅するのは毎日1時、2時。土日の出社もしばしばある。さらに「次のポストは、今の頑張り次第」などと上司にささやかれれば、いやおうなしに自分の身体にムチ打って働かなくてはならない。
とはいえ40歳を過ぎた身体は正直なもので、疲れもたまれば気持ちにゆとりもなくなります。そんな例は世の中にいくらでもあるわけです。そしてこうした状況に陥った人の家庭は必ずといっていいほど何らかの歪みを抱えています。
身体の疲れというのは精神のいらだちにつながっていき、そのいらだちを一手に引き受けるのが奥さんの役割になってしまう。
とはいえ、ご主人の帰りを待つ奥さんとしても日常生活の中で起こるさまざまな出来事をご主人に相談したいという思いも大いにある。
でも相談できない。これは大きなストレスです。すると今度は、奥さんが抱まえ込んでしまったストレスのはけ口子供になるわけです。「そんなに聞き分けのない子は、お母さんの子供じゃないよ!」などというとんでもない言葉を、知らず知らずのうちに小さな子供に浴びせている。
あとで振り返ると「なんで私、あんなことを言ったんだろう」と思うようなひどいことを言っているのです。それで今度は、子供の方が傷ついてしまう。
自己主張の強い子供であれば弱いものいじめをしてはけ口を求めたり、心の優しい子供であれば不登校になってしまったり。
もう、すべての根はつながっているのです。もともとは父親が会社から持ち帰ってきたストレスであり、長時間労働と歪んだ人間関係が生み出すストレスです。現代社会において多くの場合、家庭崩壊の原因はここにあります。
まずは30分早く帰宅する
身体の疲れというのは、脳のいらだちとしてはね返ります。すると性格のきつい人は誰かに当たりちらしたり、性格の穏やかな人は自分の中に抑圧という形で押し込めてしまうのです。
特に長時間労働という劣悪な環境に加え、歪んだ人間関係に身をさらせば人間の脳は疲弊し、ダイレクトにストレスを感じてしまいます。
高圧的な上司や性格の悪いお客さんと日常的に接していれば、当たり前のように人間は破綻してしまうのです。
また心の状態が不安定であれば、ストレスへの対処方法も極端になりがちで、ストレスはますます大きくなっていくばかりです。たとえば飲酒を例にとってみても、気心の知れた仲間と飲む酒は日常の些細な出来事を忘れさせ、気持ちの切り替えには効果的です。
ところが、日ごろの人間関係やトラブルを忘れるために飲む酒は、決して気分の晴れるものではありません。かえってストレスを大きなものにしてしまいます。
こうした悪循環からの脱却には、まずは仕事時間を減らすことが第一だと私は常々言っています。1時間、2時間が無理ならば、まずは30分でもいい。30分きざみで自分の生き方を調整しましょう、
というのが私の提言です。責任の強いポストを任されていたり、昇進がかかっていたりして仕事時間を減らせないという人もいるでしょうが、たつた30分ならばできるはず。
身体の負担が少なければそれだけ中身で勝負できるはずなのです。それを中身で勝負せずに時間で勝負していれば、身体の負担をいつまでも抱えることになり、結局は家庭に影響したり、過労死や鬱病などを引き起こしかねないのです。仕事とは何のためのものか、誰のためのものかを真剣に考えれば、今のあなたの働き方にはきっと改善の余地があるはず。私はそのように思います。