どくだみの薬効

どくだみの成分

中国から日本へ伝わったとされるどくだみですが、中国では、生魚のにおいにも似ているどくだみの生の葉が、いろいろな病気に効能のある野草として珍重されていたといいます。

どくだみの生葉のきついにおいは、デカノイルアセトアルデヒドという物質がもとで出るものですが、これには、糸状菌(カビ)やブドウ状球菌に対しての制菌力が強くあるとされています。しかし、乾燥した葉の中では別の物質に変化し、制菌力は無くなります。デカノイルアセトアルデヒドは蒸発しやすい性質を持っているため、こういった効果は新鮮な生の葉のみに限られるのです。

一方、乾燥した葉には、ルチンと同様な作用のある物質、利尿作用、緩下作用を示す成分があります。ルチンと同様な作用というのは、毛細血管の老化を予防し血管を丈夫にするはたらきを指します。ルチンは、丈夫な血管をつくるのに欠かすことのできないコラーゲンの合成を助けるビタミンCの吸収を促進し、血管の老化を抑制するので、ビタミンCを一緒に摂るといいです。

乾燥させたどくだみの葉、十薬には、生葉のようなクセはなく、お茶にしても飲みやすくて、抵抗なく飲めます。

また、フラボノイドという植物の色素成分が多く含まれていて、抗酸化作用や便秘の改善、老廃物の排泄の促進などの効果が期待されています。そして、高血圧の原因となるナトリウムを排出するカリウムが高濃度に含まれているため、血圧を下げる効果にも期待ができます。

薬害のないどくだみ

薬というのは、病気を癒やすことはあっても、生命を救うことはできません。薬を過信したり乱用すると、恐ろしい結果を招く可能性があります。とてもよく効くという薬ほど、副作用を考えなければならないのです。

いろいろな抗生物質が開発されていますが、カビに対する抗生物質などは、非常に強烈で、人体に有害となる毒性もあります。さらに、私たちの体内では、この薬害に対する耐性菌が発生します。こうして、細菌と新薬とのイタチごっこが繰り返されるのです。

その点どくだみは、日本でも古くからの経験薬であり、長い歴史を持つ生薬です。薬害の心配はありません。
どくだみ茶

どくだみについて

どくだみという薬草を知っていますか?どくだみは、古くから民間薬として重宝されてきた薬草です。漢方の生薬名では十薬(じゅうやく)と呼ばれています。

一般にどくだみには利尿作用があることが知られていて、どくだみ茶としてもたくさん販売されています。

「どくだみ」というあまり音の響きの良くない名前は、諸説がありますが、生のどくだみが持っている特有の臭いが、まるで毒を溜めているようだということに由来して名づけられたといわれています。

どくだみの生態

どくだみは東アジアに分布する多年生の野草で、日本でも全国各地で見ることができます。草木の高さは30センチくらいで、陰地や湿地に群生します。地下の根茎は白くて、横に長く伸び、枝分かれしています。そして、枝の切れ目から、次から次へと芽を出し繁殖します。

その繁殖力はとても強くて、根茎が少しでも残っていると、いくらむしり取っても、除草するのがなかなか難しいといいます。一度根付くと絶やすことができない、しぶとい草であるということから、「シブト草」という別名があるほどです。

梅雨の頃になると、黄色い穂状の花をつけます。一般的に4枚の白い花びらのように見えるのは、実は本当の花ではなく総苞片(そうほうへん)と呼ばれる器官です。花を保護する4枚の総苞が十字形に付いていて、花の咲く時期になると、1枚ずつ開いていくという特徴があります。

花が散った後には果実がつくのですが、形は球状で、色は深い褐色をしています。そして種はできますが、そこから子孫はできないといいます。

葉はハートのような形をしていて、茎に互い違いになるように、まばらに付いています。この葉に独特のにおいがあるのですが、においのもとになっているのが、デカノイルアセトアルデヒドという成分です。

安全、安心の徳島産 どくだみちゃ