健康のカギを握る抗酸化ミネラル「セレン」

セレンという栄養成分を知っているでしょうか?セレンは、老化やガンの原因となるヒドロキシラジカルという猛毒な活性酸素の生成を防いでくれる、優れた抗酸化力をもつミネラルです。そして、セレンの不足は、ガンを発生させるだけでなく、心臓、肝臓、腎臓などの疾患とも深くかかわってきます。

体の酸化を防ぐ強い力

活性酸素は私たちの体内で自然に発生し、体をさびさせて、老化やガンの誘因となります。体がさびるというのは、例えば、りんごが変色してやがては腐っていくのと同じように、細胞が酸化してしまうことです。活性酸素によって細胞膜が酸化されることで過酸化脂質に変化し、細胞や器官へと連鎖的に広がって、それが老化やガンにつながっていきます。そこで、酸化を阻止するために必要になるのが抗酸化物質の摂取です。

抗酸化物質として一般的によく知られているものにはビタミンEがありますが、これよりもとても強い抗酸化力をもっているのがセレンです。それでは、セレンは私たちの体内でどのような働きをして、老化やガンの抑制とかかわっているのでしょうか。

活性酸素の発生

活性酸素は体内で自然に発生するもので、呼吸のときに吸った酸素の1~2パーセントが活性酸素に変化するといわれています。つまり、呼吸をすると必ず活性酸素が発生するのです。活性酸素には種類がいくつかありますが、呼吸によって体内に入った酸素が一番最初につくり出すのは、スーパーオキシドという活性酸素です。これは、ストレスや、大気中の汚染物質、食品の添加物や残留農薬などによって発生します。また、細胞がエネルギーをつくり出す時や、体内に侵入した細菌を撃退する時にも発生します。

スーパーオキシドに対抗する抗酸化物質は、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という酵素です。SODは、スーパーオキシドが発生すると、すぐにくっついて触媒として働き、化学反応を起こし、スーパーオキシドを過酸化水素と酸素に分解します。しかし、この過酸化水素自体が活性酸素のひとつで、細胞内に鉄や銅のイオンが存在すると細胞膜を簡単に通過して、新たな活性酸素のヒドロキシラジカルをつくり出すのです。

最も毒性が強いといわれているヒドロキシラジカルが遺伝子を傷つけることで、細胞が突然変異し、ガンが発生します。また、組織や酵素に傷をつけたり、細胞膜を酸化し続けることによって私たちは老化が進みます。ですから、このヒドロキシラジカルが発生するのを防ぐことがとても重要になるのですが、そのために大切な役割を果たすのが、グルタチオンペルキシターゼとカタラーゼという2つの酵素です。

セレンの働き

そして、このグルタチオンペルキシターゼの主要な成分がセレンです。セレンが体内に多くあると、グルタチオンペルキシターゼが次々に生成され、体内で発生した過酸化水素を無害な水分子に還元します。

セレンには、抗酸化のほかに、免疫力を高めて抗体産出を促す働きや、毒物の分解、解毒作用を高める働きもあります。こういった機能によって、セレンはガンの発生や進行を抑えるだけでなく、発ガン性の物質自体を分解してくれます。

セレンが含まれている食品

セレンは、土壌中に含まれています。日本、タイ、フィリピンなどのアジア地域は、欧米などと比べてセレンレベルが高いといわれています。しかし、その土で育った米や野菜といった農作物を食べると必要なセレンが摂取できるのかというと、そうではありません。

昔、稲の病気を防ぐために使われた水銀の問題や、現在の酸性雨の問題があって、農作物にはセレンが少なくなっているといいます。しかも、穀物の精製過程や野菜の調理でセレンの多くは失われてしまうのです。

セレンは魚介類にも多く含まれているのですが、それらに重金属が含まれていれば、その中和や解毒のためにセレンは消耗されてしまいます。こういったことからも、不足分を補うには、サプリメントを利用するのが良いでしょう。

多く摂り過ぎた場合、中毒症を起こすことがあるので注意が必要ですが、セレンをじゅうぶん摂取することで、免疫系が刺激され、さまざまな病気の予防や改善に役立つと期待されます。

セレンは放射線の害を抑制し、さらに強力な抗酸化作用でアンチエイジングにも効果があります。

「放射線は実年齢よりも老化を早める。セレンなど抗酸化食品は放射線から身を守ると同時に老化も抑える」
http://metaboliz.net/detox/?p=192

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