単純に「発がん物質を含む食品を食べない」というのは違う

禁煙と食生活の改善だけでガンの発生は現在の何分の1にも減るという米国立がん研究所の推計は事実ですが、「食生活の改善」というと、私たちはとかく、食品中に見つかった発ガン物質の「毒」を食卓から遠ざけるだけのネガティブな発想に陥りがちです。

「がんの予防に関する12カ条」でも、食事に関する項目が8カ条、喫煙に関する項目を加えると9カ条を占めています。

「過労を避ける」というのはガンの芽を摘んでくれる免疫システムを下げないための生活上の注意ですが、食事に関する注意ではもっぱら発ガンの予防にウェイトが置かれているのがわかります。12カ条は意義ある提案ですし、どの項目にも医学的に確かな根拠があるのですが、あれをしてはいけない、これをしてはいけないとネガティブ(否定的)な項目ばかりが並び、ガンを防ぐにはこうするといいですよ、というポジティブ(肯定的)な提言をもっととり入れるべきではないか、感じています。

「毒」についての注意書きも大切ですが、「毒を中和する薬」の情報も同時に有効ではなかろうかと考えていたのです。たとえば「塩辛いものは少なめに」「ひどく焦げた部分は食べない」というのはイニシエーターヤプロモーターを食卓から遠ざけるための注意です。

魚や肉などの焦げた部分は、Trp-P1、Trp-P2などと呼ばれる強力なイニシエーターを含んでいます。これは、国立がんセンターによる世界に誇る研究成果でわかったこです。

また、食塩(塩辛いもの)は、胃粘膜の細胞にプロモーターとして作用するとされ、日本人に多い胃ガンの原因物質の1つとして疑われています。Trp-P1、Trp-P2は、サンマを焼くときの煙が、煙突から出る煙と同じだろうという考えから発見された発ガン物質ですが、タンパク質が焼け焦げたときにできる物質ですから、焼き魚や焼き肉、目玉焼き、ソースなどはたとえ微量でも、この発ガン物質を含んでいます。

他方、食塩をとりすぎる原因食品としては、漬物がしばしばやり玉にあがります。今夜のおかずの焼き魚が干物なら、さらに困ったことになります。魚の干物やタラコなどの魚卵には、二級アミンという物質が含まれ、漬物には亜硝酸が含まれています。
塩分の過剰摂取はガンのリスクを高める | ガン予防のための習慣

二級アミンと亜硝酸を同時にラットに与えると、これらが胃の中で反応してニトロソアミンと呼ばれる強力な発ガン物質ができることが証明されているのです。

つまり、魚の干物と漬物を同時に食べれば、私たちの胃の中でもニトロソアミンが生成している可能性が強く、これが日本人の胃ガンの原因かもしれない、と考える人もいます。

神経質な人なら、そう聞いただけで、今夜のおかずに出された魚の干物や漬物に、箸が止まってしまうかもしれません。けれども、それは正しくないのです。

ガガンは予防できる『がんを防ぐための12カ条』 | ガン予防のための習慣

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