「頭痛、腹痛、腰痛」などの痛みを生姜の効果、効能で解消する

雨の日や寒い日、冷房が効いた室内では、頭痛や腰痛、腹痛などの痛みが起きたり、悪化しやすくなったりする。これは、痛みは「冷え」と「水」が原因で起こるから。
体を温めて冷えをとり、体内にたまった余分な水分を追い出す生妾のパワーは、痛みの改善にも発揮される。生姜には、鎮痛・消炎作用があることもわかっている。痛み全般には、生姜紅茶やネギ入り生姜湯を1日3~6杯飲むといい。生姜風呂や半身浴などで体を温めるのも効果的。患部に生姜湿布をするのも効果的。頭痛についてはこちら。

  • 頭痛
    頭痛に特に効果的なのは、生姜湯に葛粉を入れたものを1日1~3杯飲む方法。上半身の血行をよくして発汗を促し、頭痛を改善する。生姜湯は、湯飲み茶碗に生姜10グラムをすりおろして絞り(絞らずそのまま入れてもOK)、熱湯を加え、黒糖適量を入れて作る。これに葛粉3グラムを加える。
  • 腰痛
    腰痛にに特に効果的なのは、唐辛子生姜湿布。赤唐辛子1本をコップ半分の水で煎じ、すりおろした生姜約150グラムとともにすり鉢に入れて、小麦粉を少しずつ加えながら適度なかたさに練る。これをタオルの上などにのばして、腰に貼る。唐辛子の血管拡張効果と保温効果で痛みがやわらぐ(ただし、ビリビリした刺激を強く感じたら、生姜や唐辛子の量を減らしたり、使用を中止したほうがいい)。
  • 腹痛
    腹痛に特に効果的なのは、租塩袋。租塩適量をフライパンでサラサラになるまで妙り、布袋に入れ、へその上に置いて30分くらい温める。陽性食品のしょうゆと番茶で作るしょうゆ番茶も、胃腸を温める作用がある。湯飲み茶碗に小さじ1~2杯のしょうゆを入れ、熱い番茶を注ぐだけでできる。

「風邪」を生姜の効果、効能で解消する

風邪は、英語で「COLD(冷え)」ということからもわかるように、冷えが原因で起こる。漢方医学では、風邪のひきはじめによく葛根湯を処方するが、これには葛の根のほか、生姜も入っている。
どちらも、体を温めて冷えをとる成分だ。さらに、生姜には発汗・去痰・鎮咳・解熱などの作用もあるので、風邪のさまざまな症状に効果を発揮する。

「風邪かな」と思ったら、生姜紅茶はもちろん、生姜紅茶に葛粉を入れたものや、生姜湯にネギを入れたもの、生姜酒などの飲み物で、まずは体を温めて冷えをとるといい。体を温めてから布団に入れば、すぐに汗をたくさんかく。風邪のひきはじめで、体力がある場合は、生姜風呂やサウナに入るのも効果的。

  • 生姜紅茶1杯に葛粉3グラムを加えて飲む。生姜の辛味成分には、発汗や解熱作用、タンをとったり咳を鎮めたりする作用があるが、葛にも強力な発汗、解熱作用がある。また、紅茶の赤い色素テアフラビンにはウイルスを殺す作用もある。葛入り生妻紅茶も生姜紅茶同様、1 日3~6杯飲むといい。
  • 発熱はさほどないが、鼻水やくしゃみがあり、寒気やだるさを感じる風邪には、ネギ入り生姜湯を1日3~6杯飲む。ネギの白い部分2~3 センチを細かく刻み、湯飲み茶碗に入れ、すりおろした生妾の絞り汁を10滴(約5cc) ほど加える。そこに熱湯を加えればでき上がり。ネギに含まれる硫化アリルは、血行をよくして体を温める作用が強力。免疫力もアップする。
  • 風邪の初期には、生姜酒をお湯割り(熱湯がいい) にして、寝る前に飲むといい。血行がよくなり、冷えも解消する。生姜酒は、薄切りにした生姜約100ラムと氷砂糖150グラムを密閉容器に入れて、ホワイトリカー1升(約1.8リットル) を注ぎ入れて作る。密閉容器に入れて冷暗所で3~6か月間置いたら、ガーゼなどで生姜をこして、冷暗所に保存する。

「肥満」を生姜の効果、効能で解消する

西洋医学ではこれまで「摂取カロリーが消費カロリーを上回ると太る」と考えられている。消費しきれなかった分の余剰なカロリーが、体内で中性脂肪として蓄えられるため。

しかし、実際には、同じ量を食べて、同じように連動しても、太りやすい人とそうでない人がいるし、水やお茶を飲んだだけでも太ってしまうという人もいる。

漢方医学では、肥満を「固太り」と「水太り」に分類して考える。「固太り」は筋肉質で便秘がち、腹部に脂肪がつくタイプで、「水太り」は色白で筋肉が少なく、むくみがち、下半身太りのタイプ。

実は、日本人女性の肥満のはとんどが、この「水太り」といえる。「水太り」は、体内に余分な水分がたまったことが原因で体が冷えている。冷えているから新陳代謝が悪くなり、基礎代謝(生きていくために最低限必要なエネルギー) や、労働や運動で使われるエネルギーが少なくなるので、余剰なカロリーを体内に蓄えやすくなるし、蓄えられた脂肪も燃焼しにくくなる。それで、少ししか食べなくても太りやすい体になってしまう。
つまり、体を温めて体温を上げ、新陳代謝を高めていくことこそが、ダイエット成功の鍵だといえる。体温が1度上がれば、基礎代謝量は12~13% 上がることがわかっており、同じカロリーを摂取してもぐっとヤセやすくなる。

水太りの人は、生妻紅茶で体を温め、体内にたまっている余分な水分や老廃物をどんどん排出して、産熱を高めていけばいい。このサイクルがうまくいくようになると、水分過多の状態が解消され、過激な食事制限やハードな運動をしなくても、自然にヤセられるだろう。
代謝がよくなれば、一生太らない体をつくることもできるる。

  • 生姜紅茶に塩をひとつまみ加えて、1日3〜6杯飲む。塩は「陽性食品」で、体を温める効果がとても高い。ただし、化学塩ではなく、必ず粗塩などの自然塩を使うこと。また、黒糖も入れたほうがいい。
  • 朝食を「生妻紅茶+塩」に替える「朝だけプチ断食」

    食べすぎや水分の摂りすぎを防ぐ。「生姜紅茶+塩」1杯をニンジン・リンゴジュース2.5杯に替えてもいい。ニンジン2本、リンゴ1個を皮つきのまま適当な大きさに切って、ジューサーにかけ、コップ2.5杯分(約480cc)にしたもの。昼食は薬味をたっぷり入れたとろろそばや、わかめそばなどを。夕食は基本的に好きなものを食べていいが、体を温める「陽性食品」を意識してほしい。

  • 下半身の筋肉を使うウォーキングやスクワット運動をする。基礎代謝も上がる。
  • 生姜風呂

    生姜風呂に入って体を温め、発汗すると、水分の排出と同時に、気化熱で体内のカロリーが使われるので、ヤセやすくなる。