お茶の歴史

中国二千年の歴史を持つお茶のルーツ

お茶の木はもともと、中国の雲南地方に自生していた植物で、ヒマラヤ山脈の南禁からブータン、インドのアッサム、東南アジア北部の産地、揚子江の南岸から日本の西南部を経て、世界中に広がっていったと考えられています。
紀元前2700年、漢方医学の祖とされる伝説上の神、神農が、野草の効能を調べているとき、毒草にあたるとお茶で解毒していたと伝えられています。
この説話は、760年ごろに、陸羽が著した『茶経』のなかに紹介されています。3世紀ごろには、お茶の葉を固めた「団茶」を砕き、生萎などを加えて熱湯を注いで飲んでいたという記述が古書のなかにあります。日本に伝えられたのは平安時代の初期、最澄、空海、永忠などの僧侶が留学先の唐から持ち帰ったのが始まり。

薬として珍重されていたお茶

『日本後記』には、梵釈寺の永忠が、嵯峨天皇にお茶を献じたという記録が残っています。815年、嵯峨天皇は近畿地方に茶の栽培を命じ、お茶は当時の貴族階級の間で流行することとなります。しかしその後、お茶についての記述は鎌倉時代に入るまで一時途絶えてしまいます。臨涛宗開祖の栄西禅師は、留学先の宋から茶の種子を持ちかえり普及に努めるとともに『喫茶養生記』を著しました。わが国初の茶書である『喫茶養生記』の冒頭には「茶は養生の仙薬、延齢の妙術」と記されており、当時、薬として珍重されていたことが伺われます。こうしてお茶は禅宗と結びつき、とくに修行の妨げになる眠気を払う薬として、僧侶を中心に広がりました。

僧侶、武士、庶民へと普及していったお茶

当時のお茶の飲み方は、臼で挽いた茶葉にお湯を注ぎ茶せんでかきまぜるというものでした。14世紀ごろになると、武士を中心に茶会が開かれるようになり、室町時代には「茶の湯」というわが国独自の文化が生まれます。茶道が完成したのは16世紀。千利休の登場によってです。江戸時代になると、庶民の間で現在のように茶葉にお湯を注いで飲むという飲み方が広がります。それとともに、煎茶の製法にも改良が加えられ、手繰み技法が確立し、お茶は各地の重要な産業として発展していきます。こうして、江戸時代の終わりごろには、現在の煎茶に近い茶が登場するのです。

手もみ茶を作り畑仕事も

ひいおじいさんはお茶を食べていた

茶園で育ったせいか、もの心ついたころにはお茶を飲んでいました。お茶を飲むだけではなくて、私のひいおじいさんなどはお茶を挽いて粉にして、ごはんにかけて食べていました。
最近、お茶のふりかけとかいろいろ発売されていますけど、うちでは昔からふりかけにしていたんです。
お茶と密接な関係にある環境のせいか、私は12人兄弟の一番上ですが、私の兄弟は9人健在です。戦争がなかったらもっとたくさんの兄弟が生きていたと思います。
健在の兄弟たちはみんなもう老人ですけど、元気ですよ。私もいままで、体をこわしたことがないくらい健康です。いまも現役で畑仕事はしていますし、間伐の仕事も引き受けてやっています。品評会用の緑茶は、植えて1〜2年の茶の木の葉を使うんですが、そこの面倒もみています。まだまだ元気ですから。それから、最近ではほとんどのお茶が機械挟みで大量生産されていますが、川根もみきり流という流派で手操み茶を作っています。
お茶の手挟みは、高等小学校から挟んできましたから、もう貼年くらいお茶を挟んでいることになりますね。平成2年10月には、お茶の手操みの無形文化財の認定をいただきました。この中川根町からは2名、静岡県下では10名が認定されたんです。手挟みは、一番茶をせいろで蒸して、ほいろというお茶をよるための幅が約1間の台で行います。ほいろはガスで加熱できるようになっていて、そのムロの上に紙を敷いて4 時間くらいかけてお茶を挟んで、葉を細くよっていきます。途中で休むことはありませんから、結構体力も必要なんですよ。手挟み用の一番茶はほんの少ししか手に入らない貴重な葉です。ですから大切に挟んでいくんです。私は体を動かすことが嫌いではありませんし、健康だから続けられるんだと思います。

私の家に来た人は驚くかもしれませんが、うちの台所には茶筒と急須がたくさん並べてあって、いつでもお茶が飲めるようになっています。それくらい、お茶は頻繁に飲みます。最近緑茶の効能が一般の方にも知られるようになって、O157の騒動以来、緑茶の売り上げが上がりました。昔から寿司屋で出される「あがり」のように、緑茶には、食中毒予防の効果があることは知られていましたけど、ここまで話題にはならなかったものです。01 57は全国規模で猛威をふるいましたから、各家庭での予防対策として、手軽に飲める緑茶が選ばれたんでしょう。

緑茶のリラックス効果

やすらぎを感じる

もともと緑茶党で、普段から煎茶を飲んでいます。コーヒーや紅茶などは、あまり飲まないんです。緑茶の効能について、いろいろあることは知っています。食中毒、アトピー、花粉症にも効果的。
特に若いときに病気をしましたので、年をとってからは十分健康に気を配っていますが、お茶は好きなので効能を意識して飲んでいるわけではないんです。
好きな煎茶ですから、やはりこだわりがあります。葉はきれいな緑色で、よくよれている繊細な葉を選びます。きちんと一度湯のみに入れてさましたお湯で入れて飲みますが、入れた時の煎茶の優しい香りがいいですし、色も好きですね。
普段、区や企業の封入の仕事などをしているんです。たくさんの方がいらっしゃるんですよ。封入の仕事は細かく手間の掛かる作業ですが、責任もあり、やりがいのある仕事です。このセンターでも休憩にお茶をいただいて、ほっと一息つきます。

毎朝、食事の前に喉がかさかさして張りつく感じがするので、まずお茶を飲んで喉を湿しています。それから朝食の時、昼食の時、夕食の時にも欠かさずお茶を飲んでいます。
夕食後に甘い物を一口いただく時などは、お茶がほっとした安らぎ感を与えてくれます。その日1日をリフレッシュする感じですね。「明日はまたがんばろっていう気持ちにしてくれるんです。緑茶にはリラックスさせる効果もあると聞いたことがありますが、そのせいでしょうか。それから寝る前にも、お茶を少しだけ飲みます。こうしてみると、1日にたくさんのお茶を飲んでいるのがわかりますね。そのせいでしょうか、内臓はどこも悪いところはありません。

お茶がらで作った枕の安眠効果

お茶の使い方といえば、私の義理の姉は、飲んだお茶がらを乾燥させたものを集めて枕にしています。お茶がらを枕の中に入れて作っているんです。「安眠効果がある」って、人から聞いたんですって。お茶がらをたくさん集めるのはたいへんだったようですが、お茶の枕はよく眠れるそうですよ。
桧ほど香りはないようですが、安眠効果はあるようです。いろいろな使い方があるものですね。ふだんは、煎茶の入れ方にもこだわりますが、私はひとり暮らしなので、夜に少しだけお茶が飲みたい時は、急須を使わずに湯のみに直接一杯分のお茶の葉を入れてお湯を入れます。この方法だと急須を使う手間もなく、お茶を飲んだら、
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