スプーン1杯が金1杯、紀元前から珍重された代表的スパイス「こしょう」にはいくつもの健康効果がある

古くから珍重され高価で取り引きされた「こしょう」

唐揚げやとんかつの下ごしらえからインスタントラーメンの仕上げまで、毎日の食卓で使わない日はないといってもいい「こしょう」。
それなのにどこか「脇役」のイメージのあるこしょうですがじつは、すごい実力をもています。

こしょうは、英語ではpepper(ペッパーまたはペパー)。

ところが、本来のこしょう以外にも、レッドペパー(トウガラシ)、チリペパー、カイエンペパー、ペパーミントなど「ペパー」とつく種類のものがたくさんあります。

辛いスパイスのなかでも代表的存在、いわばスパイスの王様というわけです。こしょうが使われるようになったのは、はるか紀元前。熱帯地方原産で生産量もごくごく限られていた昔は、たいへんな貴重品でした。
同じ重さのこしょうと金が取り引きされた時代もあったというほどで、コロンブスやマルコポーロの大航海は、こしょうをはじめとするスパイスの輸入が目的だったというのも有名な話です。

それほどまでにこしょうを珍重した理由は、とくに保存技術の発達していなかった時代、脂っこく、独特のくさみのある獣肉をこしょうがおいしく食べられるようにしてくれるからというよりも、くさみをとる、脂の酸化を防ぐ、細菌の繁殖を防いで腐敗を防ぐ、そうした働きが引っばりだこだったのです。

現代医学でも認められたこしょうの薬用効果

もともとインドや中国では薬としても使われてきたこしょうには、科学的にみても、さまざまな薬効があることがわかってきました。
食欲増進作用や老化の原因となる活性酸素を退治する抗酸化作用など。血液循環をよくする働きは脳への血流もよくします。

また、脂肪代謝にかかわるアドレナリンの分泌を高める働きもありますから、体に脂肪がつきにくくなる効果も期待できます。このように、さまざまな健康効果の詰まったこしょうですが、日本ではよく、年をとるとこしょうのようなスパイスは控えたほうががよいといわれることがあります。

しかし、高齢者こそ、上手に食生活にスパイスの働きをとり入れて、健康維持に役立てるべきでしょう。こしょうも含めたスパイスの特徴のひとつに、何種類かのスパイスをまぜると、刺激がマイルドになって量を多くとれるという性質があります。

そうした性質を生かしたメニューが日本人も大好きなカレーは、もちろんこしょうも含めた各種のスパイスをミックスした効果が期待できるだけでなく、独特の風味が食欲を増進するという研究結果もあります。

ただし、日本でよく食べられるルーを使ったカレーは、ルーに含まれる脂肪がお腹にもたれてしまい、それが原因で敬遠されるかたも多いようです。

でも、最近流行のスープカレーのような食べ方ならばどうでしょうか。スパイスの刺激は味覚を補ってくれるので、塩分を控えることにもつながります。
こしょうの特徴をよく知り、その性質を上手に生かすことで、もっとこしょうの使い方は広がっていくのではないでしょうか。こしょうは確かに主役とはいえません。でも、存在感のしっかりある、ビリッとした脇役としてはなくてはならない存在。ぜひ使い方を工夫して、もっと私たちの食生活にとり入れたいものです。

こうしょう効果

  • 消化器の助手をよくする効果
    食欲増進、下痢止め
  • 冷えをとり、体をあたためる効果
  • 血液さらさら効果
    血学会で小板活性を持つことが発表されている
  • 痛みを軽減する
    歯痛、胃痛などをやわらげる
  • 誤嚥防止
    高齢者の誤嚥を防止する
  • 減塩効果
    スパイスの刺激で塩分を減らしてもおいしく食べられる。こちら
  • 抗菌作用
    こしょうといっしょに保存すると腐敗しにくい
  • 抗酸化作用
    体に有害な酸化を防ぎ、体のサビつきを防止
  • 去痰
    たんをとる作用

とくに高齢者に多い、食べ物や、つばが気管に誤って飲み込んでしまう「誤嚥」による肺炎。こしょうのにおいをかいだ人がこの誤嚥を起こしにくくなることを東北大学のグループが発表しています。
平均年齢85才のお年寄り105人にこしょうの精油のにおいをかがせ、食べ物を口に入れてから囁下反射が起こるまでの時間を測定したところ、反応時間が短縮、同時に嚇下運動の回数もふえたという結果が出ています。

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