食卓の「毒」を「薬」で帳消しにすr食事の知恵

野菜の発ガン抑制効果を調べるこんな実験が行われました。さまざまな野菜の抽出物から、すでに発ガンを抑制することが知られているビタミンCなどを含む低分子画分をとり除き、高分子画分を分離します。

実験用の正常細胞に、アフラトキシン、Trp-p1、Trp-p2、タバコの煙に含まれるベンツビレンなどの発ガン物質を作用させ、そのままならガン化が引き起こされるところへ、野菜の高分子画分を加えてイニシューションが抑制されるかどうかを調べました。

結果をTrp-p2に対する抑制効果で示せば、なす、82.5% 、きゅうり、75.5% 、ごぼう、67.8% 、大根、48.3%など、漬物になる野菜の多くが高い抑制率を示したのです。

これらの野菜は他の発ガン物質の活性を抑えるのにも幅広く有効で、特になすはアフラトキシンに村して89.1% 、Trp-p1に対して86,2 % 、ベンツビレンに対して76.4 % など、のきなみ高い抑制率を示しました。

つまり、なすなどの漬物は、食べすぎればプロモーターとなる食塩のとりすぎが心配される一方で、食卓に並んだ焼き魚などの発ガン物質の活性を抑制している可能性があることになります(もちろん、あまり塩気の強い漬物はいただけませんが)。

このように、食品に発ガン物質の「毒」が発見されたからといって、その食品そのものを、食べてはいけない「毒」とは必ずしもみなせないのが、食事によるガン予防の複雑でむずかしいところです。

焼き魚を食べなければ、体にとりこむTrp-p1やTrp-p2の量を減らすことはできるかもしれませんが、同時に、大腸ガンなどの予防につながるDHAの摂取も減ることになります。魚の干物のおかずに漬物が加われば、食塩の摂取量がふえ、胃の中でニトロソアミンができるかもしれませんが、同時に、焼いた干物に含まれるTrp-p1やTrp-p2などの活性を強く抑制する野菜の高分子画分を摂取することができます。

たしかに、焼き魚の皮のひどく焦げた部分まで残さずに食べるとか、塩分の強い漬物に相変わらずなみなみとしょうゆを注ぐとかいったことは、12カ条にいわれているとおり、控えるべきでしょう。

しかし、だからといって、焼き魚や漬物そのものを「毒」と決めつけて食卓から遠ざけるのは誤りです。焼き魚や漬物にもガン予防にプラスに作用する「薬」としての面があるように、「薬」としての作用が明らかになった食品をポジティブに食卓にとり入れることです。

そうして毎日の食卓を全体として見渡したときに、「毒」の作用(Trp-p1やTrp-p2、ニトロソアミン、食塩など) の総和よりも、「薬」の作用(DHA、野菜の高分子画分など)の総和のほうが大きく、「毒」の作用を帳消しにしてまだお釣りのくるような食生活を続けていれば、それこそがガンを防ぐ食生活にほかならないのです。

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