責任感の強い人が注意する点

健康を守るには「要領のよさ」が必要

長時間労働によるストレス、職場の人間関係によるストレスはこれまでに記してきたように、ストレスを抱えるにはさまざまな要因が挙げられます。

朝早くから夜遅くまで働きづめで、心にも身体にも余裕のない生活が続けば、人間は必ず病気になるものです。少々酷な言い方になるかもしれませんが、これはもう自ら病気を招いているということにもなるのです。

24時間仕事に追い回される生活というのは、精神的にも追いつめられ、まともな食事や入浴時間の確保もできず、睡眠時間の不足を招き、ただひたすらにストレスをため込むばかりになるのです。そういう人は正常な免疫力を保つことなどできず、いずれは必ず倒れてしまいます。

そしてもっとも不幸なのは、責任感の強さゆえ、自分の心身に重くのしかかるストレスに気づいていない、あるいは持ち前の精神力でなんとか乗り切ろうと考ぇてしまう人です。

そういう人は、とうとう我慢しきれなくなって、調べてみると重い病に蝕まれていた、ということも少なくありません。当然のことですが、倒れる前というのは、思いのほか仕事の能率は上がっていないものです。身体に負担がかかるばかりで仕事がなかなかはかどらない。

結局、自分のためにも職場のためにもプラスになることは1つもないのです。だからこそ私は、そういう自覚症状の兆しが現れたときは「30 分でもいいから早く帰りなさい」と言うのです。どんな職場であっても、あなたが30分早く切り上げることで大きな損失が出るようなことはまずないでしょう。

しかしあなたの身体にとってはこの30分が非常に有意義なプラスになります。わずか30分早く職場を後にするだけでも、思いのほか身体の疲れがとれるものです。いずれにしても、倒れるほどにハードな仕事のしかたが、いい仕事であるとは私には思えません。時間の割には文章がまとまらないとか、さっぱり物を運べないとか、心身ともによれよれの状態で仕事が進むはずがないのです。

40代前半の看護師さんでお子さんもあり、女手ひとつで毎日の生活をやりくりしてきたというのです。ところが子宮ガンになってしまったと。

話を聞くと、仕事で手を抜けない人なのです。その他にも子供さんの問題やら、心に負担のかかる要素があったようですが、なにしろ看護師という仕事に誇りを持って手を抜かずここまでやってきたのだと。

それはもう素晴らしいことだと思うのです。しかし、ガンになってしまった。

看護師という仕事はほんとうに大変な仕事です。夜勤もあれば非常勤もある。そうした環境の中で、いささかなりとも手を抜けない人というのは、本当に危険なのです。

特に夜勤です。夜というのは本来寝るべき時間です。もちろん病院ですから夜勤はあっていいのだけれど、仮眠をとって緊急時に備えるという仕事の仕方をしなくてはいけない。それを「夜勤だから、夜通し気を張って事態に備える」というのは大きな間違いです。

その人は、つねに入院している患者さんに気を配り「○○さん、目が覚めているようだけどどうしたんですか」と声かけを怠らなかったというのです。

いい意味での「手抜き」のすすめ

私はその人に「あなたの責任感の強さは素晴らしいです。しかし、あなた自身が倒れてしまったら、これまで誇りをもって続けてきた看護師の仕事もできなくなる。なにより、子供はどうするのですか」と問いました。

そして「少し手を抜きなさい」とアドバイスをしたのです。彼女はたいへん納得してくれました。たしかに、裕福でお金が有り余っている人は、仕事を多少休むとしても、なんら気にすることもないでしょう。

しかし、一般の人々にとってはそうそう簡単に仕事を休むことはできません。暮らしがあるわけですからね。しかし、少しだけ手を抜いて自分の身体をいたわることができなければ、その休みは永遠のものになりかねないということを覚えておいて頂きたいのです。責任感が強いのもほどほどです。それがアダとなつては、あまりにも悲しすぎます。

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